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坊主頭のメリット
ずいぶん長いこと坊主頭で過ごしている。大学の後半くらいからずっとなので、もう人生の半分は丸坊主だ。昔は理髪店でやってもらっていたが、バリカンを買ってからは二週間に一度くらいのペースで自分で3ミリに整えている。
坊主頭の利点はいくつかあるが、一番は「お金がかからない」ということである。美容室でちゃんとやってもらおうとすれば男性でも3〜5千円はかかるし、安さがウリのところでも千数百円はかかってしまう。それが自分でやればタダなのだ。バリカンの初期投資こそ必要だがそれでも5千円もあれば十分。あとは刈れば刈るだけ得をするという夢のようなシステムである。「いい美容室でやってもらった」と思い込めば二週に一度5000円の儲け。1ヶ月で一万円札、一年で12万円の利益が出る計算だ。マイバリカンは打ち出の小槌なのだ。
あとは「手入れが楽」という点だろうか。髪が長いと、シャンプーで洗い、コンディショナーをして、ドライヤーで乾かして、セットをして、寝癖がついたら直して……と、何かと手間がかかる。だが坊主頭にはそんな必要はない。洗ってタオルで拭けば完了だ。髪の長い人がドライヤーで髪を乾かしている間に、我々坊主は資格の勉強をすることだってできるのである。せいぜい一回につき10分くらいの差かもしれないが、塵も積もれば山となる。数年後に色彩検定の資格を有しているのは我々坊主の方なのだ。
あと意外なところでは「地域の情報に詳しくなる」というものがある。僕は部屋でパンツ一丁になって頭を丸めるのだが、その際、市政だよりを床に広げている。新聞を購読していない身としては、部屋に広げる紙は定期的に郵便受けに入ってくる市政だより一択なのだ。そうしてうずくまって黙々と頭を刈っていると、自ずと目の前に広がる市政だよりの内容を目で追うことになる。それにより、普段ならあまり目を向けないフラダンス教室の情報や、手軽に受けられる健診の情報、知事のインタビューなどが自然とインプットできるのだ。
このように、坊主頭はいいことずくめなのである。実は今日も自分で頭を丸めた。最近何かと出費が多かったので、普段よりいいとこの美容室に行ったことにして一万円を入金した。
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