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ミニテトリスとインフルエンザ

インフルエンザが流行っている。体感ではあの頃のミニテトリスくらい流行っている印象だ。僕は幸いまだ罹ってはいないのだが、周りにもちょくちょく出ているし、SNSのタイムラインを見ていると全員罹ってるんじゃないかと思うくらい皆症状を訴えている。聞くと、今年のは喉にくるらしい。できれば罹りたくない。

ミニテトリスといえば、流行っていた頃に欲しくて欲しくて仕方がなかったのだが、あまり親にものをねだったりしない性分だったので買えずにいた。それが何かのきっかけでようやく買ってもらえて喜んでいたら、「点滅しているブロックを消したらステージクリア」みたいな変則ルールのゲームのみが収録されていて「ひたすら消してハイスコアを目指す」というシンプルなモードが入っていないもので絶望した記憶がある。

まるで天国から地獄に叩き落とされたような気分だった。僕はただ黙々とブロックを消したかったのに!ブロック8個で表現された車(“土”みたいなやつ)を左右に動かして他の車を避けるゲームとか、壁にぶつかると爆死する蛇を操って身体を伸ばしていくゲームもそれなりに面白いけど、それは基本のモードがあってこそのものなのに!なんで!なんでこんなことになるんだ!

今となっては心底どうでもいいと思うのだが、当時の僕からすれば、それはインフルエンザに罹るよりもはるかに辛いことだった。あの頃と今では自分の中で決定的に何かが変わっているのだ。陳腐な表現だが、大人になったとも言えるし、何かを失ったとも言えるだろう。それは見方次第であり、いいとか悪いとかいう話ではない。

とりあえず今はインフルエンザに罹らないように、少しも体調が悪くないのに葛根湯を飲むなどしている。あとキレートレモンも飲んでいる。

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