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かりんとう人間じゃなくてよかった

梅雨である。毎日ぐずついた天気が続き、自ずと気分も湿りがちだ。別に湿っぽい天気だからといって気分まで引っ張られる必要はないのだけど、やはり人間も自然界の一部。どうしたって影響はあるのだろう。あと単純に濡れるのが嫌とかもある。すぐ傘を失くすとかも。

一切外出する必要のない日の雨は嫌いではない。雨音を聞きながらの読書なんて乙なものだし、エアコンを効かせてカラッとした室内にいられること自体がすごく贅沢なことに感じられて気分がいい。さらに、部屋にこもっていることに対する大義名分もあるため、たとえ昼寝してしまったとしても罪悪感が少ない。何をしてもいいし、何もしなくてもいい時間。感覚としては新幹線の移動とかに近いかもしれない。

だが、実際のところ外出の必要のない日などなかなかなくて、結局仕事だ何だで外には出なければならない。そうなるとどれだけ気をつけても服や鞄は濡れるし、ジトッとした空気がまとわりついてきて全身がずっと湿った状態になってしまう。不快極まりない。もし僕がかりんとう人間だったらひとたまりもないだろう。

かりんとう人間じゃなくてよかった。もしくはお煎餅ボーイじゃなくてよかった。またはえびせん男爵じゃくてよかった。本当によかった。

そう思って、少しでも自分を前向きな気持ちに持っていくしかないのだ。

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