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硬くて薄い

スーパーでカットパインが半額になっていたのでしめしめと思い購入したのだが、いざ食べてみると硬くて味が薄くてびっくりした。パイン風味の木片を食べているのかと思ったほどだ。「カットパインを買う」という行為にはけっこうなイベント性があるため、つい浮かれてしまう。その反動もあり、いったい自分は何をやっているんだと惨めな気持ちになってしまった。とんだトラップもあったものだ。パイントラップ。ある意味ハニートラップよりも厄介である。

一番辛いのは、「どうやらこれ全部硬くて味が薄いぞ」と気がつく瞬間だ。最初の1、2個は「ハズレのやつに当たったかな」くらいにしか思わないのだが、それが3個4個と食べていくうちに「もしかして…」となり、6個目くらいで「全部硬くて味が薄いぞ」という確信に至るのである。そこから10個くらい硬くて味が薄いとわかりきっているパインを食べなくてはならない。ほとんど義務だ。感情は無である。

とはいえ、まったく美味しくないわけではない。スーパーで買ったからショックなだけで、その辺に生えている野生の実を齧ってこの味だったら「甘い!」と思ってテンションが上がるだろう。出会い方が悪かったのだ。ていうかスーパーの商品なんだからちゃんと甘くあってくれよ。普通に。金とってるんだから。頼むよ。

ただ、今回硬くて味が薄いパインをつかまされたことで、次回甘いパインを食べたときの感動は若干増すと思う。それだけはちょっといい点だ。

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