燃える100万円
夢を見た。引越しのために木造の一軒家を片付けながらいかに金目のものを集められるか、という企画に参加する夢だ。数々の有名人が参戦しているようだったが、誰がいたかは覚えていない。夢ならではのよくわからない状況ではあるが、夢のわりにそれほどぶっ飛んでもいないという、そのなんともいえない塩梅がまた夢らしくもある。
謎の企画は粛々と進行していたが、どこからか登場した“火のついた木片”によって事態は急変した。木片には油がたっぷり染み込ませてあり、火の勢いは弱まる気配がない。慌てて消火しようと木片を転がすたびに、火は家屋や庭の草などに次々と燃え広がり、あっという間に家は炎に包まれてしまった。絶体絶命の状況の中、片付けているので荷物が燃えないのが不幸中の幸いだな、などと呑気に考える。夢なので。
ただ一つ心残りだったのが、家のどこかに隠したはずの100万円がまだ見つかっていないことだ。金目のものを見つけるという企画的にも是非見つけ出したいし、何よりこのままでは100万円が灰になってしまう。最悪だ!絶対に見つけ出さなくては!と、物がほとんど入ってない押し入れを探っているところで目が覚めた。
夢と認識してから時間差で少しずつ現実感が戻ってくる。寝ぼけた頭で久しぶりに夢らしい夢を見たなあ、と余韻に浸る。火事の夢を見るとおねしょをすると言われるが、パンツは濡れていなかった。
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