もらえ!印鑑証明
印鑑証明をもらわなければならなくなった。言葉としては聞いたことがあるが今一つなんのことかわかっていない書類、印鑑証明。自分の人生には関係のない代物だと思っていたが、必要になることもあるらしい。
印鑑証明をもらうにはどうすればいいのか。もし僕がサイババ的なノリの人間であれば、強く念じることで何もない空間に印鑑証明の一枚や二枚簡単に出現させることができるのだろう。しかし、残念ながら僕はサイババ的なノリの人間ではない。しかるべき組織に、しかるべき行政的な手続きをもって発行してもらわなければ、印鑑証明を手に入れることができない弱い人間である。
調べると、印鑑証明をもらうには印鑑登録をした際にもらえるカードが必要だという。だがそもそも印鑑の登録をしているかどうかがわからない。カードが手元にないことは確かだが、所有していて見つからないのか、最初から持っていないのかの判断がつかなかった。これはシステムへの提言だが、自転車の防犯登録みたいに専用のシールを貼るなどした方がわかりやすくていいのではないか。キラキラの「登録済み」というシールを印鑑に貼るのだ。綺麗だしきっと気分も上がる。是非ご検討ください。
区役所に連絡すると、印鑑登録をしているにせよしていないにせよ、カードがないのであれば改めて登録を行う必要があるとのことで、結局窓口まで出向くことになった。久しぶりに訪れた区役所は平日の午前中でもそれなりに混み合っている。みんなうっすらうんざりした顔をしていて、それぞれに面倒な手続きがあるんだな、と勝手に連帯感を感じる。
整理番号510番で待っていたら509のあとに2000番台の番号が呼ばれ始めるフェイントなどもあったが、なんだかんだトータル一時間くらいで印鑑証明を入手することができた。やってみると意外と簡単だ。区役所の人ありがとう。ついでにそのご両親もありがとう。一通300円というのが安いのか高いのかはわからないが、まあ手間を考えればそんなものだろう。
一つ残念だったのは、売店が見当たらなかったことだ。僕は区役所の売店で紙パックの甘いカフェオレや飲むヨーグルトを買って飲むのが好きなのだが、今回どこを探しても売店がなく、仕方なく自販機で水を買うという何の面白味もない行動で妥協してしまった。売店の場所が移動しただけかもしれないが、もしかしたらなくなってしまったのかもしれない。区役所の売店にしか出せない独特の魅力が僕は大好きなので、なくなっているとしたらすごく悲しい。税金で復活させてくれないだろうか。
もらったばかりの印鑑証明は、すぐに郵便局で速達で出した。せっかく苦労して手に入れたのに、手元にあったのはほんの一瞬だ。別に長時間手元に置いておきたいものでもないし、その気になれば300円でまたもらえるのがわかったので別にいいのだけど。