味が好きだから

自販機やコンビニでお茶を買うときはだいたいいつも緑茶の濃いやつを買う。味が好きだからだ。だが、ここ最近それ系の商品のパッケージに「内臓脂肪を減らす！」的な文言が並ぶようになった。こうなってしまうと、僕はあくまで味が好きで買っているのに、健康になりたくて買っていると思われそうで不満である。違うんですよ！味が好きで買ってるんですよ！と、誰にというわけでもないがアピールしたくなる。

もちろん、体にいいならそれに越したことはないし大歓迎だ。健康にはなりたい。すごくなりたい。しかしながら、それが僕が濃いお茶を飲む一番の目的ではないのだ。まず第一に濃いお茶の味が好きで、そのついでに健康になれるならこちらとしてもやぶさかではありません、くらいのスタンスなのだ。まずそこをはっきりさせておきたい。

僕は味が好きで濃い味の緑茶を買っています！

僕は味が好きで濃い味の緑茶を買っています！

僕は味が好きで濃い味の緑茶を買っています！

何度でも言いたい。何度でも言いたいが、言えば言うほど必死感が出てしまい、「本当は健康になりたくて買っているのに恥ずかしくてそれを誤魔化しているやつ」に見えてきてしまう。もがけばもがくほど身体は沼に嵌りこみ、しだいに身動きが取れなくなる。そして最後に、「味が好きで……」とだけ言い残し、僕の身体は完全に泥の中へと消えてしまうのだ。