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小鳥の死体のように

駅から仕事先まで歩いていると、道にコンビニの納豆巻きが落ちていた。潰れてしまってはいるが、未開封のため形は保たれている。炎天下の路上にポツンと納豆巻きが存在している様子はなかなか印象深く、写真を撮ろうかと思ったが暑くてやめた。

仕事を終えて帰り道。蒸し暑さが残る道を駅に向かって歩いていると、行きがけに見た場所に納豆巻きがまだ落ちていた。ただ、位置が少し変わっている。歩道の真ん中から道の端へと移動しているのだ。おそらく、納豆巻きが踏まれてしまうことを危惧した人がやったのだろう。優しい人もいたものである。

小鳥の死体と同じような気遣いを受けた納豆巻きが、夏の夕暮れの道に佇んでいる様はこれまた印象深かった。が、ポケットからスマホを出すのが面倒で写真を撮るのはやめた。

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