「ちっちゃい虫」と言う人は優しい人
顔の前に虫が飛んできてビクッとなった人が「どうしたの?」と聞かれて「ちっちゃい虫!」と答えることがあるが、その状況で咄嗟に虫のサイズ感を伝えるのはすごいと思う。「虫!」に加えて「ちっちゃい」という情報まで付け足してくれる名古屋の喫茶店のモーニングのごときサービス精神。それを「より詳しく伝えるぞ」的なモチベーションではなく自然とやっているのがすごい。
もしかしたら、周りに余計な心配をさせまいという無意識の配慮なのかもしれない。「虫が飛んできてびっくりしちゃいましたけど、でっかいやつじゃなくてちっちゃいやつなのでご心配なく!」という配慮だ。驚いて声を出してしまったとき、自分でも意図しないくらいのボリュームの声を出してしまうことはよくある。その際もし「虫!」とだけ言った場合、その声のボリュームに相当するとすれば相当大きい虫なのではないか?と周囲に思わせてしまう可能性がある。それを防ぐための「ちっちゃい」という説明なのではないだろうか。
そう考えると、顔に虫が飛んできたときに「ちっちゃい虫!」と言う人はとても優しい人だと考えられる。虫にびっくりしている状況において、咄嗟に自分よりも周囲の人間のことを思うことができるのだから。素晴らしいとしか言いようがない。なんとできた人間なのだろうか。
今後もし理想のタイプとかを聞かれることがあったら、「顔に虫が飛んできてビクッとなったときに『ちっちゃい虫!』と言う人」と答えようと思う。
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