多様性のお話を聞いてきた話
性の多様性。
わたし実は苦手な分野でした。
オリンピックのトランスジェンダーの方のこと、
ジェンダーフリートイレのこと、
トランスジェンダーの方の公衆浴場の利用のこと…
ニュースやXの話に出てくるネガティブな問題提起によって、
自分はどう考えたらいいのかよくわからず、
誰でも心地よく暮らすためにはどうしたらいいんだろう…と考え、難しいから思考を放棄していました。
今回わたしがお話を聞いたのは、
大久保暁さん
出生時の性別は女性。
小さい頃から自分の性別に違和感があり、
長い髪やスカートを履くことがとても嫌だったそうです。
そうそう、
トランスジェンダーの方の約6割が
小学生までに自分の性に違和感を持ち、
約8割が中学校までに違和感を持つそうです。
そして、日本の約10〜13人に1人(ここは調査によって人数のばらつきあり)の方が、LGBTQだそうです。
左利きの人口と同じくらいの割合だそうです。
わたしがこれまで生活する中で、そんな割合でLGBTQの方と出会った感覚はありませんでしたが、実は言い出せずに自分の内に秘めているのかもしれません。
さて。
大久保さんのお話を聞く中で印象に残っていることがあります。
それは、奥様が大久保さんをありのまま受け入れている感じ。
奥様はのんちゃん、とおっしゃっていました。
話し方がすごい独特で、まったりゆったりお話されていました。ちょっとあのちゃん、ぽさがありました。
彼女はお友達の紹介で大久保さんと出会い、彼がトランスジェンダーということを知らずにお付き合いまで至ったそうです。
お付き合いするときに初めて打ち明けられ、初めて知ったそうですが、そのまま受け入れ、お付き合いし、結婚されたとのことです。
のんちゃんのご家族は、
『中途半端な気持ちで結婚したら、いろんな人からいろんなことを言われて、のんも暁くんも傷つくことになるよ、それでも大丈夫なの?』と話され、それでも大丈夫、というのんちゃんの意志を信じ、受け入れてくれたそうです。
このエピソードで、のんちゃんがいかにご両親からのんちゃん自身を尊重され、大切に育てられたかを感じました。
のんちゃんの意志、決断が1番大切。
自分で心から決めた決断なら、それを信じて受け入れる。
親として、子どもが傷つくかもしれない状況を受け入れるって本当に苦渋の決断ですよね。
でも、子どもを信じる、もしもの時はサポートするって決断できたご両親にも尊敬の念が込み上げます。
大久保さん自身も、自分の性のことでたくさん悩んだでしょう。
それでもこうやって生きる!!と自分で決められたのは、バックボーンに自分を大切にできるよう育ててくれたご両親の存在があるのではないかと感じました。
わたしがこの講座で感じたのは、
どんな苦難があっても、それに立ち向かう勇気と自信を持たせてあげられるような周りの関わりが大切ということ。
そして、大久保さんものんちゃんも、わたしたちと変わらず、普通の生活をしている。みんな同じ人間。
誰がどんな性だからなんて関係ないじゃないか。
目の前にいる大好きな人を、そのまま大好きいようよってことなんじゃないかって思いました。
冒頭で述べた、私が感じていた性の多様性の話の苦手さは、トランスジェンダーのことをよく知らないことが全てではないかと感じます。
結局知らないから、理解しようとしないし、何か言われると怖くて排除しようとする。
相手のことをよく知ろうとする姿勢が大切だと本当に感じました。
大久保さん夫婦は、精子提供という形でお子さんがお1人いらっしゃいます。
いろんな夫婦、家族のあり方があることも、実感できました。
本当にみんなそれぞれの生活、生き方がありますね。
どんな自分、子ども、相手でもそのままを受け入れられさこさんでありたいです。