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大阪・関西万博への見方が少し肯定的になった話 <後編その1>

前編↓につづき、後編では事例報告とパネルディスカッションの内容について、紹介と私の感想を。

プログラムは、この↓ようになっていました。

主催者挨拶
:中牧弘允 千里文化財団理事長
シンポジウム開催にあたって「協働・共創の万博をめざして」
:吉田憲司 国立民族学博物館長
事例1) 万博テーマ事業<いのちを高める>(クラゲ館)における共創・協奏の旅路と背後の哲学
:中島さち子 大阪・関西万博テーマ事業プロデューサー
   (シグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」)
事例2)「いのち」を大切にする社会を目指して―「いのち会議」と「いのち宣言」
:堂目卓生 大阪大学 社会ソリューションイニシアティブ長
事例3)万博学という視座
:佐野真由子 京都大学大学院教授
パネルディスカッション
:パネリスト 中島さち子、堂目卓生、佐野真由子
:ファシリテーター 吉田憲司


◉事例1) 万博テーマ事業<いのちを高める>(クラゲ館)における共創・協奏の旅路と背後の哲学

万博のテーマ事業は、「いのち」をキーワードに8人のプロデューサーに委ねられています。

いのちを知る 
 福岡 伸一生物学者、青山学院大学教授
いのちを育む
 河森 正治 アニメーション監督、メカニックデザイナー、ビジョンクリエータ
いのちを守る
 
河瀨 直美 映画作家
いのちをつむぐ
 
小山 薫堂 放送作家、脚本家、京都芸術大学副学長
いのちを拡げる
 
石黒 浩 大阪大学大学院基礎工学研究科教授、ATR石黒浩特別研究所客員所長
いのちを高める
 
中島 さち子 音楽家、数学研究者、STEAM教育家
いのちを磨く
 
落合 陽一 メディアアーティスト
いのちを響き合わせる
 
宮田 裕章 慶応義塾大学 医学部教授

2025年日本国際博覧会協会「プロデューサー紹介」
https://www.expo2025.or.jp/overview/producer/#theme

このうちの「いのちを高める」の担当である中島 さち子さんが事例1の報告者でした。中島さんのプロフィールは次のとおり。

ジャズピアニスト・数学研究者・STEAM教育家・メディアアーティスト
株式会社steAm CEO・株式会社STEAM Sports Laboratory 取締役
音楽・数学・STEAM*教育・メディアアートなどの分野で、国内外で多彩な活動を展開する。

著書に『人生を変える「数学」そして「音楽」』『音楽から聴こえる数学』(講談社)絵本『タイショウ星人のふしぎな絵』(文研出版、絵:くすはらじゅんこ)他、CD”Rejoice”、 “希望の花”、“妙心寺退蔵院から聴こえる音”他。

国際数学オリンピック金メダリスト(日本人女性唯一) 。
内閣府 STEM Girls Ambassador(理工系女子応援大使)。
経済産業省『「未来の教室」とEdTech』研究会研究員。
日米リーダーシッププログラムフェロー/フルブライター。
NY大学 Tisch School of the Arts (芸術学部 演劇・映画・新興メディア芸術研究教育機関)、 ITP (Interactive Telecommunications Program:通信技術を創造的に活用し、人々の生活に喜びや意味をもたらすことを目的としたプログラム) M.P.S.(Master of Professional Studies:実業研究の修士)学位取得。

同上+オオニシによる補足説明

すごい経歴の持ち主ですが、会場での印象は、「音楽大好き+世界的な視野がある+人の交流で世の中が良くなるのに貢献したいと考える」元気な人でした。

箇条書きで中島さんの発言(私の理解ですが)を書き出すと…

  • 今回の万博のポイントは、①161カ国が参加する、②いのち輝く未来社会というテーマがある、③民の博(反・万博の万博)で、③こそが本質だ。

  • 担当する「いのちの遊び場 クラゲ館」では、音楽を中心に原始性・身体性を持つ揺らぎのある遊びを通して「いのちを高める」ことを体験してもらおうと考えている。

  • 人間存在の多様さ、それにも関わらず今を共に生きている共感」という岡本太郎の言葉が自分の中で大きい。

  • 2021年から「未来の地球学校プロジェクト」、「学びの協奏コンテスト」、内閣府による国際交流事業(交野市とエチオピアの交流など、東京オリンピックでのホストタウン交流のようなもの)に関わり、国が違う人、障がいの有無、先住民と入植者など、多様な人をかきまぜる場を作ることに携わってきた。

これまで見えていなかったけれど、「多様な民(たみ)の交流を楽しみ、過去の自分を揺さぶる」活動を始めており、万博後もその波が続くことを期待している人がいるのがわかりました。「こういう活動を後押しするのなら、万博もいいではないか」と思いました。


長くなるため、ここで一区切りにし、<後編その2>に続きます!

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