
rollback=物価引き下げ | 教科書に出てこないニュース英語 《フィリピン》
フィリピンのニュースサイトPTV NEWSで、2024年8月12日に配信された記事の見出しで使われていました。
Big-time oil price rollback set Tuesday
大規模な石油価格の引き下げが火曜日に実施される予定

◾️'rollback'を辞書で引くと
róllbàck
[名]
1 巻き返し[割戻し]政策(◇政府統制による物価などの引き下げ)
2 (変化に対する)逆行,揺り戻し
3 《コンピュ》ロールバック(◇プログラムにより直前のチェックポイントへ戻ること)
今回は石油の値段の話なので1の物価引き下げです。
ウィズダム英和辞典だと、
róll・bàck⦅主に米⦆ (政府の統制による)物価[賃金, 税金]の引き下げ.
となっています。
コンピュータトラブル関連の文脈だと、3の意味です。
情報システムの分野では、システム障害やデータの喪失、破損などが起きた際に、以前に正常に稼働していた特定の時点の状態に戻して復旧を試みることを指す。
文頭にある'big-time' は、形容詞で「トップクラスの,一流の,すごい,大変な;((米俗))凶悪な」の意味があります。(goo辞書)
ここでは「大幅な・大規模な(価格引き下げ)」ということでしょう。
◾️フィリピンで大手石油元売り会社が値下げをする理由は?
記事の要約
・カルテックス、クリーンフューエル、ペトロガズ、シーオイル、シェルは、ガソリン価格を1リットルあたり2.45ペソ、ディーゼル価格を1リットルあたり1.90ペソ引き下げるとそれぞれ発表した。
・カルテックス、シーオイル、シェルは、灯油価格も1リットルあたり2.40ペソ引き下げるとしている。
・他の石油会社も追随する見込み。
・エネルギー省(DOE)は先週、世界の石油価格が主に中国での消費の減少に対する懸念と「世界経済の悪化する見通し」に影響を受けていると述べた。
・また、フィリピンペソの米ドルに対する上昇も、今週の石油価格の引き下げを支えているとも述べた。
この記事からは、辞書にあるような政府の関与があったかどうかについて明確には書かれていません。しかし、先週エネルギー省の発言があり、大手が揃って同額の引き下げを発表したことからすると、おそらく働きかけがあったものと推測できます。
引き下げの理由は、①中国での消費の減少に対する懸念、②世界経済の悪化見通し、③フィリピンペソの対ドルでの上昇でした。
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状況としては日本も同じです。原油が下がれば政府の補助がなくなることが予想されるので、日本でのガソリンの価格は変更なし、というところでしょうか。
中国の人口減少と景気の悪化に伴うと思われる消費の減少に、アメリカの経済停滞、BRICKSに新規加盟を希望している国々の勃興、世界経済の勢力図は変わっていくのでしょう。
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