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coder=ソースコードを作成する人 | 教科書に出てこないニュース英語 《トリニダード・トバゴのニュースサイトから》

トリニダード・トバゴの日刊紙Newsdayの電子版で2024年7月26日に配信された記事の見出しで使われていました。

(Newsdayは、同社の説明によれば、「完全にトリニダード・トバゴが所有・運営している」新聞です。これはそうではない新聞が少なくないことを示していると思われます。)

Student coders seek solutions for climate challenge at IGT camp
学生コーダーたちがIGTキャンプで気候変動の課題に対する解決策を模索

Newsday

'coder'を辞書で引くと?

goo辞書の英和辞典にはなく、国語辞典に説明がありました。

coder: コンピューターで、コーディングをする人。

goo辞書

しかし、これではあんまりなので、元になる語codeを引くと詳しく書かれていました。

━━[名]
1 法典,法律の集大成
2 (行動・道徳・社会生活上の)規準,慣例,礼儀作法
3 暗号,記号(体系),略号(体系);(暗号体系の)文字,語,数字,記号
3a コード,信号法
3b《コンピュ》コード,符号;《生物》遺伝コード[情報](genetic code)
3c ((英))(電話の)局番,地域番号(dialing code,STD code)
codeの慣用句・イディオム
   call a code(医師が)死亡を宣告する
━━[動]
1 …を法典に作成する[記載する]
2 〈通信文などを〉暗号[信号]にする(encode)
2a 《コンピュ》〈プログラムを〉コード化する,機械語に直す
3 〈製品などに〉コード[符号]をつける
3a 〈遺伝子が〉(…の)遺伝暗号を指定する≪for≫
4 ((俗))心停止を起こす
語源
   [原義は「巻物」]
codeの派生語
   coder 情報を記号化する人

goo辞書

名詞の1の用例にはハンムラビ法典 the Code of Hammurabiが挙げられていました。同じく名詞の2はドレス・コードのコード、名詞の3はダビンチ・コードのコードですね。3cは、zip codeのコードか!

…と、バラバラのイメージだった言葉が頭の中でつながりました。これぞ外国語辞書のおもしろさです。語が受け持つ守備範囲の意外性です。


今回の記事のcoderは、動詞の2aが元になっていそうです。また、派生語としてcoderが記載されています。
ー「〈プログラムを〉コード化する人,機械語に直す人」
ー「情報を記号化する人」
?????

しかしこれではよくわかりませんよね。
逆に、最近は「コードを書く」、とか「コーディングの勉強」とかのようにカタカナで使われているのを目にします。

コーディングとは? プログラミングとの違いは?

調べてみました。
2つのサイトによる説明:

コーディングとは「プログラミング言語を使ってソースコードを作成すること」。一方、プログラミングは「プログラムを作成する作業全般」を指します。つまり、コーディングはプログラミングの作業の一部、ということになります。

コーディングは、より詳細にいうと、Webデザインをブラウザ上で見える形にするためにソースコードを記述することで、言語はHTML(エイチティーエムエル)やCSS(シーエスエス)、JavaScript(ジャバスクリプト)などを主に使用します。一方、プログラミングはプログラムを動作させることを目的としており、 Java(ジャバ)やC言語(シーげんご)などのプログラミング言語を使用して作業します。

また、一般にコーディングを行う人を「コーダー」、プログラミングを行う人を「プログラマ」と呼びますが、上述のようにコーディングはプログラミングの作業の一部。そのため、勤務先の規模や参加するプロジェクトによってはコーダーとプログラマの作業内容が重複していることもあります。

https://www.akkodis.co.jp/candidate/insight/column_46 より
https://hataractive.jp/useful/6837/ より

若干2つの説明にはズレがありますが、
最大公約数をとれば、
「HTMLやCSS、JavaScriptといったWeb系の言語(=比較的簡単)を使って、具体的にプログラムを書く作業をすること」のようです。

code/codingについてはここまでとしましょう。


見出しの中のIGTとは?

ここからは記事の内容について。

学生向けのこのキャンプ(研修合宿)を主催したIGT、インターナショナル・ゲーム・テクノロジー(という企業)をご存知だったでしょうか?

私は全く知らなかったのですが、
ゲームといってもニンテンドーやセガサミーのイメージではなく、大人向けの宝くじや賭けを含むゲームの世界的な企業でした。

インターナショナル・ゲーム・テクノロジー(International Game Technology PLC)はイギリスを拠点とする会社で、ゲームを展開する。
【事業内容】オンラインおよびインスタント宝くじシステム、アイロトリー、インスタントチケット印刷、宝くじ管理サービス、商業サービス、ゲーミングシステム、電子ゲーム機、アイゲーミング、スポーツベッティングなど、ゲーミング・テクノロジー製品およびサービスの統合ポートフォリオを運営、提供する。3つのセグメントで事業を展開する。グローバルロッタリー事業は、販売、運営、製品開発、技術、サポートを含む従来のロッタリー事業とiロッタリー事業を世界中で展開する。グローバルゲーミング事業は、ランドベースのゲーミング・ビジネスを全世界で展開して、営業、製品管理、スタジオ、グローバル製造、運営、技術などを全世界で行う。デジタルベッティング事業は、全世界でiゲーミングおよびスポーツベッティング事業を展開する。

https://jp.reuters.com/markets/companies/IGT/

この企業の社会貢献事業としてトリニダード・トバゴ(TT)、バルバドス、セントキッツ・ネイビス、セントマーチン、ジャマイカからの学生を対象に行われたのが記事になった「IGTコーディング&ロボティクス・ロック!」キャンプでした。

また、
共催しているモナ地理情報学研究所は、ウエストインディーズ大学のモナ・キャンパス(ジャマイカ)にある研究所、この研究所とともにカリキュラムを開発したナリニ・ラムサワク=ジョーダ氏は同大学のセントオーガスティン校(トリニダード・トバゴ)の方でした。

さらに
この大学は1948年を起源とし、現在、カリブ海地域の17の国と地域(イギリス連邦の一員、またはイギリスの海外準州であるアンギラ、アンティグア・バーブーダ、バハマ、バルバドス、ベリーズ、バミューダ諸島、イギリス領バージン諸島、ケイマン諸島、ドミニカ国、グレナダ、ジャマイカ、モントセラト、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、トリニダード・トバゴ、タークス・カイコス諸島)によって自治・運営されていることがわかりました。
https://www.uwi.edu/about.php および https://www.weblio.jp/wkpja/content/西インド諸島大学_西インド諸島大学の概要#google_vignette より

          *************

一昨日の土曜日、4時間テレビの前に座り、パリ・オリンピックの開会式の録画を観てしまいました。主催国の個性が出された演出とともに、選手団の国名(または地域名・グループ名)と説明・衣装に、競技そのものよりも強く惹かれてしまいます。参加国の中には多くのカリブの国が含まれていました。

この記事では、カリブ海地域の国々が高等教育の点でどのようにつながり、外部資金を利用しながらSTEM教育・情報教育・気候変動対策に取り組もうとしているのかを垣間見ることができました。
この地域のイギリスによる植民地支配の歴史にも興味を持ちました。

また、イギリスに本拠を置く企業が、この地域に浸透(好感度の向上や信頼感の醸成が期待できる?)を図っているという状況も初めて知る「世界の現実」でした。

          *************

[記事全文のChatGPによる日本語訳]
国内および近隣地域の学生たちは、今年の年次ロボティクスキャンプでカリブ海地域の気候変動への対応策をテクノロジーを用いて模索することを課題にされています。このキャンプは、インターナショナル・ゲーム・テクノロジー(IGT)とモナ地理情報学研究所(MGI)が主催しています。
「IGTコーディング&ロボティクス・ロック!」キャンプは7月15日に開始され、「気候アクション:考え、コーディングし、解決する」をテーマにしています。
IGTの発表によると、キャンプにはトリニダード・トバゴ(TT)、バルバドス、セントキッツ・ネイビス、セントマーチン、ジャマイカからの学生が参加しています。
IGTのゼネラルマネージャー、デクスター・トーマス氏は、同組織が4年目のキャンプを実施できることを喜んでいると述べました。
「IGTは、当社のグローバルなアフタースクールアドバンテージ(ASA)プログラムに引き続きコミットしており、テクノロジーへのアクセスを提供し、当社が活動している地域でデジタル学習の機会を促進しています。」
このキャンプはASAプログラムの一環として提供され、12歳から18歳までの若者を対象にしています。IGTのASAセンターによって運営されています。
IGTは、特定のレベルのテクノロジー訓練にアクセスできない子供たちに到達することを目指しています。
MGIとウエストインディーズ大学セントオーガスティン校の教育専門家ナリニ・ラムサワク=ジョーダ氏が、コンピュータサイエンス業界のキャリアを学生に紹介し、コンピュータサイエンスの基礎、コンピュータの基本とコーディングの基本を提供するためのコースを開発しました。
2011年以降、IGTとその子会社は、英語を話すカリブ海地域に39のASAセンターを開設しており、その中にはジャマイカに14、トリニダード・トバゴに18、アンティグアに2つが含まれています。
カリブ海ロッタリーとIGTは、アンティグア、セントキッツ・ネイビス、セントマーチン、セントクルークス、セントトーマス(アメリカ領ヴァージン諸島)、バルバドスにもそれぞれ1つのASAセンターを設立しました。


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