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割ったのは誰?

君の目の前に置かれた青い花瓶。あるとき花瓶は割れてしまいました。風に揺れたのか、割れてしまいたかったのか。花瓶の目の前にいるのは君だけでした。仲の良かった君のお友達も、この時ばかりは教室にはいませんね。そこに居るのは君ひとり。君がそこにいることを、誰も見てはいなくとも、誰もが君がそこにいることなんて知ったままでいる。君を見ることはできなくとも、そこにはいつでも君がいる。君が花瓶の割れるのを、助けてあげなかったものだから、花が死んで悲しいわけさ。先生は花瓶を割ったのが誰なのかを知りたそう。君がいるのを誰も見てはなくとも、そこに君がいることくらいは知っている。君はそこにいようと、花瓶を割ることは難しい。君が花瓶が割れるのを強く願えば、花瓶はすぐにでも割れてしまえる。蝶が蛹に変わるのを止めることは難しいもの。花瓶が割れたのも、君のせいだってことくらい、君が割らなくとも、君が願えば花瓶は割れる。誰も君を知らなくとも、君は君がそこにいることくらい。先生は割れた花瓶を捨てて、皆んなは花瓶の怪談で夜を明かす。君は花瓶の割れるのを願った日を呪い、遂には割れた花瓶の姿を真似て皆んなを脅かす。苦しくて、呪いも解いて、助けてあげて。

君はやっとの事で花に恋をした。君があの日を呪うことで、花も君の割った花瓶のように。君が願えば花瓶は割れる。花は死んで君は割れる。その透明な青いビー玉は大切にして。花瓶は風船、あの子の気球。気球は目を閉ざし、夢から醒ます。笑うわるいこ、焚火にくべて、もう戻らせて。

夢では無い。歌では無い。存在も不在もする。起きてしまったこと。この手で起こさせてしまったこと。この手で。その手ではなく。この手をそうさせた。その子にそうさせた。あの子では無く。鏡に住むあなた。肌も白い。癖っ毛。髪を切りたくても鋏が怖い。祖母にずっと昔から切られていたから。だから人に体を預けた。その子の叫びを聞くものが、この世に不在する。すまない。

パリの舞台ではご自由に。夢の中の、夢の中の、夢の中の、夢の中の。マカロンは君の好きな色を選んで。フランス語が話せるのは君じゃない。母は何処にもいけない。お化けに世界を終わらせる訳にもいかないから。見つめた先を生かすだけ。見たいものはそれ?

(※僕を虐待した祖母への殺人衝動、犠牲となった祖父、あらゆる者から暴力を受け入れる日々の苦しみ)

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