【技工士】私の理想は「明日の景色が変わる」技工所
ミッションに「未来の歯科体験を生み出す」と掲げるOh my teethで働くメンバーは、いったいどのような理由でメンバーになり、現在どのように働き、ミッションの実現を目指しているのでしょうか。
Oh my teethのラボ(技工所)で働く中道さんは、自発的行動が評価され、自分の意見を形にしていける環境で働きたいと、Oh my teethのメンバーになる決意をしたそうです。
中道さんは、こう語ります。「技工所だけど、ただの技工所じゃないと思ってもらえるような環境をつくりたい」。
常識にとらわれない発想で、患者さまに笑顔を届けていくOh my teethの日常を、中道さんがメンバーになるまでの経緯と併せてお届けします。
技工所だけれど、ただの技工所じゃない
── 中道さんはなぜ、「未来の歯科体験を生み出す」Oh my teethのメンバーになられたのでしょうか。
歯科業界の常識になっていた「一般的には非常識な慣習」がなく、自発的行動を求められるフラットな環境だったからです。
歯科業界はレガシーなカルチャーがまだまだ残っており、例えばパワハラやセクハラは当たり前で、若い世代に自由がない年功序列的な組織であることが大半です。
しかし、Oh my teethは違いました。
Oh my teethとの出会いは、マンションの一室が掲載された、一件の求人です。「いったいどんな環境なんだろう」と不思議に思って面接に訪れたところ、当時は「本当に何もない」状態でした。
あまりにも整っていなかったので少なからず不安になりましたが(笑)、逆をいえば、自分で何もかもつくっていけるような気がしました。
実際、意見を求められるし、提案は反映してもらえるし、理不尽な慣習も存在しない職場だったので、ここで「未来の歯科体験を生み出す」メンバーになろうと決めました。
── これまでに勤めた技工所とOh my teethの違いについて、詳しく教えてください。
初めて働いた技工所は、朝8時半から仕事が始まり、深夜2時過ぎまで働いて、休日出勤も当たり前にあるような職場でした。働くのは好きだったので、それだけならまだ許せるのですが、パワハラやセクハラが日常茶飯事で。
また、自分より年上の人への対応には細心の注意を払わなければならず、話しかける際には「すみません、ただいまお時間よろしいでしょうか」と必ず声をかけなければいけませんでした。
どれだけ理不尽なことを言われても、反論することは許されません。年齢が若い人の意見には一切耳を傾けてもらえませんし、職業の上下関係も明確にあり、例えば技工士とドクターを比較すると、私たちはかなり身分の低い扱いをされていました。
そうした理不尽な慣習に嫌気が差し、アライナーを製作する技工所に転職したのですが、ここも魅力的な職場だとは言い難い環境でした。業界の中でもかなり大きな会社で、パワハラやセクハラがない職場ではありましたが、創造性を一切求められない日々が待っていたのです。
一度は望んだはずの働き方でしたが、いざ働いてみると、機械のように働き続ける日々はあまりにも味気ないものでした。
二つの職場で働いた経験を通じて得たのは、「理不尽な慣習が存在せず、自分の意見や考えを自由に発言できる職場で働きたい」という職業観です。
業界外を見渡せば、きっとそうした会社は当たり前にあったと思いますが、思いを持って技工士になったので、いきなり業界外に転職するのも納得できません。
そんな悩みを抱えていたところ、やっとの思いで見つけたのが、Oh my teethでした。
自由に意見が言え、意見が形になる技工所
── Oh my teethに入社してから現在まで、どのようなお仕事をされてきたのでしょうか。
最初は技工士として入社し、アライナーの製作から仕事を始めました。
クリニックでスキャンした患者さまの歯形をもとに、綺麗な歯並びになるまでのアライナーをデザインして、3Dプリンターで印刷。それをハサミを使って手作業で切り、患者さまが装着するアイテムをつくるんです。
まだまだ人が少なかったので、毎日のように筋肉痛になりながら、たくさんのアライナーをつくっていました。
しかし、現在は手を動かす業務はしておらず、ラボのリーダーを務めています。
社会人になってから、指示されたことをそのままやらないように気を付けていて、必ずプラスアルファ価値を付けて返すようにしていたんですね。それをOh my teethでも続けていたところ、マネジメントのポジションを任せてもらえるようになりました。
リーダーとしての仕事は、技工士たちの進捗管理や評価、アライナー製作をより効率的にするための環境設計です。現在は手作業での製作がベースですが、これを機械化する方法を検討するなど、ラボの生産能力を高めることをミッションとしています。
── 実際に働いてみて、Oh my teethのラボにはどのような特徴があると感じていますか。
とにかく意見が言いやすい職場だと感じています。
Oh my teethはラボと本社がセットになっているので、代表の西野を含め、さまざま職種のメンバーが一堂に会して働いています。メンバーたちの心理的な距離感が近いので、「この作業は無駄だから改善するツールを導入してください」といった提案が自由にできるんです。
Oh my teethのラボは、技工所というよりはカジュアルなオフィスです。こうした会社で働くまでは、「若い人が自由に意見を言える」ということが当たり前だとは知りませんでした。
むしろ意見を求められるくらいで、最初はギャップに戸惑いましたが、意見をどんどん形にしてもらえたので、今では「なんでも話していい」という心理的安全性が保たれた状態で働くことができています。
── 一方で、Oh my teethのラボで働くうえでの苦労はありますか。
あえていえばですが、経営層には技工士がいないので、自分たちの仕事の苦労を伝えるのが難しいと感じることがあります。
アライナーは普通のハサミを使って切り出すので、毎日100枚近く製作していると、手がすごく疲れるんですね。生産量は基本的に手の痛みと引き換えなので、製作数のアベレージを上げていくのには限界があります。前職時代は、腱鞘炎を理由に多くの人が退職していたくらい大変な作業なんです。
ただ、アライナーの製作数を増やさないことには、増え続けている患者さまのニーズに対応することはできません。そのため、より生産数を上げられるよう期待されるのですが、人数が増えないことには限界があります。
ラボのメンバーが考える限界と、経営層が考える限界は、必ずしも一致しません。これを擦り合わせながら、製作数のアベレージを高めていくことが、私たちの仕事の大変なところです。
── 少なからず苦労があるなかで、それを乗り越えられているのはなぜだと思いますか。
努力が正しく評価されるからだと思います。
これだけ人事制度が充実している技工所は他にはないはずで、Oh my teethでは、製作したアライナーの枚数、つまり「どれだけ手を動かしたか」だけではなく、どれだけ自発的に行動できたかといったことも評価の対象になります。
一般的な技工所であれば、手を動かすことだけが求められるのですが、Oh my teethはそうではありません。「未来の歯科体験をつくる」というミッションの実現に貢献することが求められ、そこへの貢献が正しく評価されるので、みんなが一生懸命になれているのだと思います。
職場を「個の可能性が広がる場所」に
── Oh my teethでの仕事を通じて、どのような変化や成長があったと思いますか。
技工士だけでなく、ラボのリーダーを経験したことで、ゆくゆくは技工士以外の仕事にも挑戦できるぞ、という気持ちが湧いてきました。
私が技工士になったのは、人の役に立つためです。高校生の頃、いちばん仲が良かった先輩に、「人間のいいところは、人間を助けられることだよ」と教わってから、誰かの役に立つ仕事がしたいと思って生きてきました。
私は小さい頃から絵を描いたり、ものづくりをしたりするのが得意で、美術系の高校に通って家具をつくるなど手先が器用でした。この特性を人の役に立つことに使おうと考えたのが、技工士になったきっかけです。
当時はそれくらいしか人の役に立てないと思っていましたが、今はもっと違う特性や経験を生かすこともできると思っています。
こうした考えに至れたのは、セールスやマーケター、デザイナーやエンジニアと、さまざまな職種との接点があるOh my teethで働けたからです。
みんなと協力し合いながらミッションに向かう過程はとても楽しく、また自分たちの仕事に彼らのエッセンスを生かす機会も多々あり、自分の世界が大きく広がりました。
技能だけでなく、職種ごとに異なる考え方を知れたのも、個人的には大きな変化です。みんなとても自由に働いていて、仕事は「創造的で楽しいものであるべきだ」と思い直すことができました。
現在は技工士の延長線上にあるラボのリーダーとして働いていますが、ゆくゆくは全く別の職種に就いてみたいとも考えています。
── 中道さん以外の技工士も、同じようにキャリアの可能性を広げられると思いますか。
技工士以外のキャリアが見えてくることもあると思いますし、私のように、技工士としてもキャリアに幅をつくることができると思っています。むしろ、そうしていかなければいけないはずです。
これから先もっと成長して、中途採用だけでなく新卒採用もできるようになったときに、「技工所だけど、ただの技工所じゃない」と思ってもらえるような環境をつくりたいです。
これをつくることが、私がOh my teethで働くいちばんのモチベーションになっています。
明日の景色が変わる技工所を目指して
── ラボのリーダーとして、一緒に働くメンバーに伝えたいことはありますか。
誰でも自由に意見が言えるフラットなカルチャーがあるので、自発的に行動して積極的にアイデアを提案してほしいと思っています。
私は一緒に働くメンバーが大好きなので、みんなが評価されて、みんなで会社を大きくしていきたいです。そのためには、やはり自発的な行動が求められます。
いわゆる技工所とは違うので、最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、全員で力を合わせていきたいです。そのためにできるサポートはいくらでもするので、私にも積極的に意見を伝えてもらえたらと思っています。
── Oh my teethで働く未来を検討している方に、伝えたいメッセージはありますか。
Oh my teethのミッションは、「未来の歯科体験を生み出す」です。私たち技工士もそのミッションに向かう一人ですが、そのために何をしているのかというと、患者さまの人生を変えることだと思っています。
何かを変えたときって、必ず見える景色が変わるんです。例えば、初めてメイクをしたときは、それ以前とは見える景色が変わったと思います。
矯正にも、同じことが言えます。自信を持てなかった歯並びに自信を持てるようになると、きっと視界が色鮮やかになる。
私たちの仕事にはそれだけの価値がありますし、これまでになかったアプローチを用いて、その価値を広げていけるのがOh my teethです。
未来の歯科体験を生み出すには、みなさんの創造性が必要です。既存の歯科業界に疑問があったり、自分の可能性を大きくしたいと考えているのであれば、ぜひOh my teethのメンバーになってください。
── 最後に、中道さんの「理想の技工所」について、教えてください。
「明日の景色が変わる技工所」です。未来の歯科体験を生み出し、患者さまの人生を変えることはもちろん、私たち働く技工士の明日が変わるような技工所を、自分たちの手でつくっていきたいと考えています。
繰り返しになりますが、これまで二つの技工所で働いてきましたが、Oh my teethほど自由に意見が言える技工所は存在しませんでした。まだまだ設立して間もないベンチャーなので、大変なことも少なくないですが、その大変さは実現したい未来をつくるために必要な期間だと思っています。
私がそうであったように、ただ手を動かして作業するのではなく、仕事を通じて未来を拓いていける技工所を、みなさんと一緒につくっていきたいです。
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