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ホンダF1撤退 「ファン」と「信じる」と「経営」と

高3の夏、鈴鹿サーキットでぬいぐるみに入って踊っていた山田です。

そして今は鈴鹿の乗り物の案内放送や、イベントのキャラクターボイスをやらせてもらっています。

そんなこんなでそれほどコアではありませんが、モータースポーツは大好きです。

さて、ほとんどニュースにもなっていませんが、ホンダが2021年を最後にF1から撤退することを先日発表しました。

バブルの頃はあんなに盛り上がっていたF1ですが、日本ではほとんど見向きもされなくなってしまいました……。
ホンダがまだ参戦していること、
すでに一度撤退していること、
今年再参入後初の1位表彰台に登ったこと、
など、知らない人の方が多いのでは?

日本のモータースポーツの衰退を嘆くために書き始めた訳ではなく、撤退を決めたホンダに対して罵詈雑言をSNSに書き込む人たちを見て、「ファン」というものについて考えさせられたからです。
折しも、参加しているオンラインサロンで、「顧客」ではなく「ファン」を増やすことが重要という話を聴いていたところです。

カーボンニュートラル推進を建前として、F1からの撤退を決めたのですが、実際には莫大なコストがかかり、注目度は低い、メルセデス一強でなかなか勝てない、そしてコロナもあって本業赤字という、経営判断が大きいのではないでしょうか。

素直に儲かりません! もう無理です! と言わず、カーボンニュートラルとか美辞麗句を並べた発表をしたものだから、F1ファンからは大ブーイング。
もうホンダ車には乗らない。二度とレースをやるな。社長やめろ。などなど。
ほぼ感情的な批判が、ホンダには届かないであろうSNSに集まっています。

これを見て思い出したのが先日、芦田愛菜さんが語っていた「信じる」ということ。

『その人のことを信じようと思います』っていう言葉ってけっこう使うと思うんですけど、『それがどういう意味なんだろう』って考えたときに、その人自身を信じているのではなくて、『自分が理想とする、その人の人物像みたいなものに期待してしまっていることなのかな』と感じて
だからこそ人は『裏切られた』とか、『期待していたのに』とか言うけれど、別にそれは、『その人が裏切った』とかいうわけではなくて、『その人の見えなかった部分が見えただけ』であって、その見えなかった部分が見えたときに『それもその人なんだ』と受け止められる、『揺るがない自分がいる』というのが『信じられることなのかな』って思ったんですけど

皆さん、ホンダに期待していたんでしょうね。

レッドブルと組んで表彰台に登れるようになり、競争力が上がってきていましたし、期待も大きく膨らんでいたと思います。

その矢先に、撤退の発表。

裏切られた! こんなに応援してたのに! とファンが思ってしまうのは無理もないかもしれません。

でも、芦田愛菜さんが言うように、それは自分の期待を相手に投影していただけだと思うんです。

ホンダの判断が正解なのかどうかは、理屈と感情を切り分けて検証する姿勢が必要ではないでしょうか。
実際ファン心理とは逆に、マーケットはこれを好材料として、ホンダの株価が上がりました。

『それもその人なんだ』と受け止められる、『揺るがない自分がいる』

そうしないと多くの情報があふれる世の中では、一喜一憂振り回されて疲れ切ってしまうのではないでしょうか。

そしてこれからファン作りが重要になる経営者としては、日頃からの発信が大切だと感じます。

綺麗事ではなく、ありのままを、ウソをつかずに伝えていく。

極端な話、見えない部分が最初からなければ、ファンの期待を裏切ることはないわけです。

企業側もファンに勝手な期待をしないで、丁寧にコミュニケーションをしていく。特にコミュニケーションの手段が昔より格段に増えたわけですから、しっかり活用して発信を続けていくことが必要だと今回の一件で感じました。

来年ホンダ最後の日本GP!
鈴鹿へ行って観るぞ~!

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