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「友達」と「親友」と「ちょっとした知り合い」

久しぶりに友人に会って食事をした。ランチを食べてスタバに行って、なんと5時間近く一緒にいた。3年ぶりかな。
3年ぶりでも話していると、何もなかったように普通に面白おかしく時間を過ごせる。3年といえばお互いに色々あったと思うけど、何気に今こうしていることが幸せで楽しいっていう感じで過ごせると、いい時間だなと思える。

彼女がくれたお土産、3年の月日がここにある。

「友達」とか、ましては「親友」とか、子供の頃からちょっと恥ずかしいような単語だと感じていて、こっちはそれっぽいなと思っても、相手が思っていなかったら使っちゃいけない気がしてる。一応それだけ大切にしている言葉だと自分では思っている。

「私の親友だから、話を聞いてあげて」
ある日仕事関係の知り合いの人からそう頼まれて、「親友」とまでいう人なんだったら、まあ今はその職業じゃないけどいっか、と思って聞くことにした。
知り合いの人の「親友」は、それからすぐにやってきて、子供さんのこと(成人している)で相談があるという。詳しくは書けないが、いわゆる「うちの息子はやってない。」関係のお話。1時間ほど話を聞いて、「また、ご相談にきます。」と。
「えっ、また?」答えは出たのではないでしょうか?と思いつつ、まあ、みんなから「今更そんなこと言ったって。」みたいに言われたっていうから、話す人もいなくなったんだろうなと思い、「はい。ではまあ、また。」と少し曖昧に答えた。知り合いの人の「親友」らしいし。
ちなみに「〇〇さんとは、どういう?」とお聞きしたら、「高校生の時同級生で、あんまり話したことはなかったけれど、私は専業主婦だけど彼女はお仕事されてるし、顔が広そうだなあと思って。今回、こういうことになってふと思い出して連絡したら、『そういう事に詳しい友達がいるから紹介してあげる。』と言われたんです。」と。
「親友」という言葉が宙に浮いた。私が思うそれと、その人が思うそれとは違ったんだな、おまけに「そういう事に詳しい友達」って言われても。

多分、その息子の無罪を信じるお母さんも「そういう事に詳しい友達」っていう単語を聞いた上で来たわけで、なるほどなんとなく少しだけ押しが強いというか、聞いてくれて当たり前みたいな感じで話していた理由がわかった気がした。

その人が訪ねてきたことをその知り合いの人に連絡すると、「あーもう来たんだ。よっぽど切羽詰まってるのね。私も卒業以来会ったことがないから、どうだった?おばさんになってただろうね。ふふ。」と。そこ?
ビジュアル化するとすれば、太いゴシック体で「親友」という文字を作って、カミナリみたいなギザギザで崩れ落ちる様を描きたい感じ。

広く浅くというタイプなのかもしれないね。と思いながら、気をつけなければとなんとなく思った。

うちにいる親友たち第一弾、メリーとピピン。この子達同士は親友。私は多分この子達の友達。

この人にはもう少し「親友ネタ」があって、その件が起きる前に、何気なく「歯医者さんとか、どこに通ってますか?」と聞いたことがあった。
「私の親友が歯医者だから、そこ紹介してあげる。」と。なんとなく歯医者さんとかって初めて行くところは緊張するし、少しでもどんなところか知ってる人に聞いてみたいなと思って聞いてみたわけだから、なるほど、じゃ、そこに行こう。と行ってみた。おまけにご近所さんだった。

その人が話しておいたらしくすんなり受付を通って、椅子に。
少しだけ歯をみて、いきなり「詰め物が取れたところの歯も抜いて、インプラントにします。その際、親知らずも邪魔になるから一緒に処置してもらいます。ここでは抜くことができないから、紹介状を持って〇〇病院に行ってもらって、抜歯の後のインプラントはこちらでやります。とりあえず抜いてきてください。」と言われた。
最近の歯医者さんは、あんまり抜くことをしないでやってくれると聞いていたので、はあ、そんなに?と思いながら、レントゲンも取らずにわかるんだとは思ったものの、プロが言うんだからなと紹介状をもって、紹介先へ。

レントゲンとかいろいろチェックをしてもらった後、「親知らずは抜く必要はないと思いますよ。とりあえず抜歯の指示がある歯の処置はしましょうか。」と言って抜く事になった。でも、抜いている途中で若い方の歯医者さんが「根っこの方が丈夫なので、なかなか抜けません。」と。先輩の歯医者さんが、「ほんとだね、抜かなくても大丈夫そうなのにね。」と会話してる。もちろん全身麻酔じゃないから脳は覚醒しているわけで、ちょっと不安になる。

治療が終わって、「詰め物が取れてた歯は丈夫で、抜くのに苦労しました。でも綺麗に抜けましたから。でも、どうして抜くように指示されたのですか?」と聞かれて「インプラントにするから、抜いて来てくれと言われました。」と言うと、「あーなるほどね、で、インプラントはあちらでやると?」「はい。」「うちでもできますよ。でも、患者さん取っちゃったら怒られるかなあ。」と笑って言われた。

悶々として、その知人に「親友の歯医者さん」に行ってきたことを報告すると、
「そうなんだ、私も通ってたけど、たいした治療もしないのに何度も行かなきゃいけないし、インプラント勧められてやったけど、今も腫れたりするんだよね。おまけになんか、高い治療ばっかり勧めるから、今は行ってないんだよね。」と普通に言われた。

しまった。そういえば、あの時も釈然としない思いが残ったんだったと思い出したのも後の祭り、今回の相談事も引っかかってしまっているではないか。

うちにいる親友たち第2弾、ミルキーとウーリー。この子たち同士は親友。私は多分この子達の友達。
ミルキーは一度首が取れちゃっけれど、蘇生した。ずっと仲良し。

「親友」などという甘くて毒のある言葉に騙されてはいけない。そして、自分の尺度で思っている「親友」と違うのかもしれないと、立ち止まることを教わった事件。この人の「友達」もしくは「親友」発言以外の仕事関係の案件でも釈然としない事件はちょいちょいあるのだけれど、まあ、それはもういいとして、ちょっと言っていいかな。仕事関係で初めて会ってから時間は経過しているが、私はこの方を「友達」だと思ったことはない。
ちょっとした知り合い程度の関係。

ちなみに、今通っている歯医者さんはとっても親身になってきちんと見てくれる。もうずーっと見てもらってる。ラッキーな事にお家の近所だし、誰かに「いい歯医者さんない?」と聞かれたら、「私はいいと思って通っています。」と言える。心の中では「お薦めです!」と思いながら「もちろんあなたがどう感じるかはわからないけれど。」とちょっと遠慮っぽい言葉も添えるかもしれないけれど。

そして余談ではあるが、さっき出てきた歯医者さんもご近所。ご近所だった。
今は、もうない。



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