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ウィンブルドン決勝、ジョコビッチ対アルカラス。

久しぶりに今年のウィンブルドンを見て、ちょっとびっくりした。
特に日曜日におこなわれた決勝。
ノバク・ジョコビッチ対カルロス・アルカラス戦。
ここ最近真面目に見てなかったから、アルカラスの名前は知ってたけど、あんなテニスができるなんてびっくりした。

ジョコビッチがひと月前に膝の手術をしたっていうのを解説も実況もしきりに言ってたけれど、内視鏡の手術らしいし、いや、そりゃあプロ選手の手術だから何手術にしたって大変なんだとは思う。
でも、それを鑑みても最初からアルカラスに勝てるとは到底思えなかった。

アルカラスのミスのないショット、前後左右にスピーディに動く体、予測の速さ、見事なネットプレーとそれを繰り出すタイミングの完璧さ。

見ていて圧倒された。上手すぎる。ちょっと感動さえ覚えた。夜中なのに。

もはや誰と戦っているのかなんて関係なかった。
アルカラスのプレーにだけ引き込まれた。

すごい選手だな。
BIG4がいなくなって(ジョコビッチはいるけど)あんな選手達はそう簡単には出てこないだろうなと思っていたけれど、あのウィンブルドンの決勝の戦いを見てると、調子がいい時のナダルもフェデラーでさえも、アルカラスには簡単には勝てない気がする。

最近見た中で一番すごいプレーだった。
ジョコビッチ相手の決勝戦で3-0。
グランドスラムの決勝はなんだかんだいってフルセットにもつれ込むことが多い。3-0のストレートっていうほうが珍しいと思う。

ジョコビッチの調子が上がらなかったのは、膝の手術の状態もあるかもしれないけれど、あれは確実にアルカラスの多彩なショットとフォアハンドの正確さと威力に翻弄されてたように見える。
何をやっても返ってくるボールに、気持ちが折れたように見えた。
ラリーでほとんど点数がとれない。あんなジョコビッチもなかなか見ない。
今までのジョコビッチのプレーパターンのスピードを上げて、正確さをプラスして、これでもかってくらいリターンを返す。
アルカラスの動きとスピードを見てて、芝で戦ってるのを忘れるくらいだった。

しかし、本当にすごかった。
なにか特別なこと(怪我とかそういう)が起こらないかぎりアルカラスの快進撃は止まらないだろうと思う。
おまけに21歳でグランドスラムを取ってないのは全豪だけ。
なんてことだ。来年の全豪が楽しみになった。

そんなアルカラスがあと1ゲームで優勝が決まるっていう3セット目、ファーストサーブが入らなくなっって、ちょっとしたミスも出た。
その試合で初めて自分のゲームを落とした。
そう、そこまでジョコビッチは一度もブレーク出来てない。一度もだ。
3-0ストレート、おまけにノーブレークで敗退しそうなグランドスラム決勝。
優勝を目の前にさすがのアルカラスもミスが出てブレークを許してしまう。ただ、このブレークはジョコビッチが何かした訳じゃない。優勝へのプレッシャーからアルカラスのが自分で招いたブレーク。

優勝の瞬間まで、緊張感も何も見せなかった21歳の素顔が見えた気がして、余計に好感が持てた。
新しい種類の人間なのかと思って見てたけど、血の通った人間だったんだなって。

もちろん、ワンブレークをゆるしてタイブレークになってからは、それまでのプレーと同じようにジョコビッチになにも与えなかった。

不思議なもので、ジョコビッチはあんまり好きじゃないんだけど「頑張れ」と思ってしまった。
あんなに手も足もでないジョコビッチを見るのも初めてだったし、今までは対戦相手がジョコビッチだと勝てる気がしないと思って、おもしろくないなあとおもってたけれど、今回はそのジョコビッチがとても勝てる気がしなかった。
途中から観客も今までの声援とは違う種類の声援を彼に送っていた。
今までジョコビッチの対戦相手が受けてたような声援。
「勝てないだろうけど、頑張れ、頑張れ」って感じ。

なんだろう、いままでトップに君臨して来た選手があんな風にやられると、悲哀を感じた。もちろんまたわがままで自分勝手はジョコビッチになって、復活する可能性がないわけじゃないけれど。

試合中、ボールボーイにサーブのボールをむちゃくちゃ急かしたり、ユニクロとの契約が終わる年には、ユニクロとフェデラーとの契約が癪に触ったのかなんか知らないけれど、なんどもコート上でこれみよがしにユニフォームを破いたり、そういう所が好きじゃない。

強ければ何をしてもいいってわけでもない。

ファミリーブースにジョコビッチの子供達が来てた。あんなに大きくなったんだ。
長男はお父さんの少ないウィナーの度に小さな拳を強くにぎってガッツポーズをしてた。
本当に真剣な目をしてた。
子供の前で昔みたいなああいう態度はとれないんだろうなと少し思った。

客席にいるゼンデイヤが「おおっ、タシだっ!」って思うような目つきで見てた。
タシだったら決勝戦のジョコビッチに何て言うだろう。
いや、すでにアルカラスにしか興味ないかも。

ナダルからアルカラスに「バモス!」は見事に受け継がれた。
恐るべしスペイン。

それと実は昨日ちょっとアートワーク制作のミスをして(いつもはこんな事ないんだけど)ちょっと凹んた。でも、いじけてても仕方ないし「やれば出来る」と自分を励ましてみた。やっと出来た。良く頑張りました。


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