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「マーダーズ・イン・ビルディング」からの「シュリ」。そして今、大いなる決戦の火蓋が切られた!

なんかドラマでも見ようかなあと思ってクリクリしてたら「マーダーズ・イン・ビルディング」の新シリーズが始まってた。
最近、案外と重いものとかガッツリくるものを見てた気がしたので、たまには呑気なドラマもいいかも、一応サスペンス・コメディっぽいしなと見始めた。
もうシーズン4なんだけど、あるアパートメントに住むすでにリタイアしてるおじいちゃん2人と、セレーナ・ゴメス扮する無職の女の子がタッグを組んで、タイトルどおり、そのアパートメントで起こった殺人の犯人探しをするっていう設定。

この2人のおじいちゃん、チャールズ(スティーブ・マーティン)と、オリバー(マーティン・ショート)の2人組が、古今東西にありがちな、若い頃の自分の話とか、ちょっとダサめな冗談とかをとばして、それを優しい目線で(時には厳しく)見守りながら、メイベル(セレーナ・ゴメス)が受け止めてあげるって感じ。まあ、メイベルもおじいちゃん2人にいろんな意味で助けられるんだけどね。

1話目見始めた時は、あーこんな感じだったなって思いながらも、ちょっとだけヌルいなあなんて思っちゃって、1話目の半分位で他のことをし始めてしまった。
日を改めてもう一回チャレンジしたら、あの3人が懐かしくなってきて、おまけに犯人も知りたくなってきて、気がつくと6話目まで一気見。
1話30分とかそれくらいだから、サクッと見れる。
不思議なものでここまでくると、もうやめられなくなって続きが楽しみになってきた。ここがこのドラマのいい所かも。

メリル・ストリープが出てるんだけど、演技するのが楽しそうなんだよね。
昨日見たエピソードでは、思いっきり喧嘩してた。
それも口喧嘩じゃなくて、マーシャルアーツみたいな喧嘩。
あれはスタントの人なのかもね。
むっちゃ激しかったから。
呑気で楽しいドラマ。でも、殺人は起きている。

いきなり毛色が変わるけど「シュリ」がデジタルリマスター版になって配信されてた。知らなかった。
もう25年も経ってるのか・・・。
その時は韓流の波には乗ってなかったので、最初の韓流ブームとかがいつのことだったかよくわからないんだけれど「シュリ」は映画館で見た。
シネコンの近くに住んでたから、暇さえあれば映画館に行ってた。
「シュリ」も別段見たいと思って行ったわけじゃなくて、何、見よっかなあって感じで見てみただけだった。

レイトショーかなんかでみたおぼえがあって、観客はいても10人くらいだったと思う。
映画が始まると、おおっ、始まりから結構激しいのねーと思いながら見てた。
多分、初めての韓国映画だったのかも。
南北の事って知ってはいるけど実際には実感湧かないなあって思ってたし、それまでそんなに考えたこともなかったから、ちょっと驚いた。

映画が進んでいって、クライマックスに向う場面、チェ・ミンシク演じる北から来た工作員が、ハン・ソッキュ演じる韓国情報部員に思いの丈をぶつけるシーンに差しかかった。
そのセリフはなんとも悲しく、激しく、北に住んでる人たちの悲哀を血みどろになりながら南の人に訴える。
字幕を読んでて、今読んでる事はフィクヨンなのか、ノンフィクションなのか、わからなくなったシーンでもある。

「本当にそんなにすごい状況なんだろうか」と思ってかたまっていると、後ろのほうの席から大きめの嗚咽が聞こえてきた。
それも1人じゃない。
それを聞いて動けなくなった。
あまりにも悲しげで辛そうな嗚咽だった。
ポップコーンを口に入れてたけど、ちょっとでも音をたてちゃいけない気がして、ずっと口に入れたままにしてた。
限界に達して、柔らかくなったそれを無理やり飲み込んだ。
それからも物音ひとつ立てちゃいけない気がして、椅子と一体化して見てた。

映画が終わってエンドロールが流れ始めた時、嗚咽が聞こえた方から韓国語が聞こえてきた。
興奮してるし、泣いてる人もいる。
その人たちが劇場を出て行くまでじっとしてた。
彼らにとっては他人事じゃないんだなって思うと、ただの娯楽を決め込んで呑気に見てた自分が申し訳なくなって来た。
映画を見てあんな気持ちになったのは初めての経験だった。
懐かしいな。

あの後、ちょっとは知っといたほうがいいのかもと思って色々読んだりしたせいか、今回はこの間見た時より冷静に見れた。
近くて遠い国だなと、改めて思った。

ふと、日本が二つに分かれるとしたら、結構簡単っぽいなと思ったりした。
南北に長いから、日本地図を思い浮かべながら、あの辺で線を引くことになるんだろうなとか考えた。大好きな人が反対側にいて、簡単に会うことができなくなったりしたら最悪だなあとか考えてはみたけれど、それに対する実感はわかない。

しかし、マジで戦争って嫌だ!っていう映画も本も星の数ほどあるのに、なんでやるし、めないんだろう。
今、戦争してる国の偉い人って「火垂るの墓」見ても、ぐっちゃぐっちゃに泣いたりしないのかなあ。

不思議すぎる。

そして大いなる決戦の火蓋が切られた。
同じ戦いでも、この戦いは平和だからこそ出来る戦いなのだ。
うー、リビング行かなきゃ。

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