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「チャレンジャーズ」はテニス好きが見ても大満足な映画だった。

「チャレンジャーズ」やっと観に行けた。監督はルカ・グァダニーノ。
いい意味で変態だど思う。
ゼンデイヤも「Come On!」状態。

ここから入るのもなんだけど音楽がいい。ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーとアッティカ・ロスの「ソーシャルネットワーク」コンビ。
疾走感のあるテクノっぽい曲が、古いのに新しくてイカス。
おまけにラリーの打球音もいい。
初めから釘付け。
ゼンデイヤってほんとスタイルいいな。
テニスウェア着るとこれまた際立つ。バックハンドが強烈だっていうなら、もっと肩を入れて打たないととは思うが、別にテニス映画じゃないからいい。
バックもフォアもテイクバックの時、ネットにへそ見せちゃダメ。

テニス映画じゃないっていっても、そっち目線から見ても面白かった。
アートのウェアがユニクロでラケットがWilsonっていうのも似合ってるし、
パトリックのウェアはスポンサーなしのナイキで、ラケットがHEADっていうのも
似合ってる。これはわたしの勝手なイメージだけど、HEADのラケット使ってる人って一癖ある人が多い気がするし、Wilsonのラケット使ってる人って若干優等生が多い気がする。

しかし、この映画をチャレンジャーの大会回ってる250位以下くらいで20代後半の選手が見たら、ちょっとメンタルやられるかも。

ゼンデイヤが31歳のパトリックに「今すぐやめろ」っていうところとか、お金がなくてホテル泊まれないとか、ジュニアの時には鳴り物入りで強かったのに、プロになった途端勝てないとか・・・。
心が痛い。
まあ、タバコ吸ってるようじゃどうしようもないけどね。
ジョコビッチが聞いたら呆れ返って目むきそう。

あのレベルの試合だったらパトリックが出場できるから、アートのシンシナティやめさせて、チャレンジャーに出場させたのは、はっきりとタシの作戦だったんだよね。

映画見てて思ったんだけど、テニスずっと見てる人だったらあの事件、思い出しちゃうんじゃないかな。

2015年のロジャーズ・カップで、ニック・キリオス(悪童って言われてるけど、私は好き。サーブがものすごくてそれだけでゲームとれちゃうくらい)が、スタン・ワウリンカ(STAN THE MAN 片手バックハンドが秀逸で、クロスでもダウン・ザ・ラインでも、鮮やかに打ち分ける。サーブもすごい。グランドスラムの決勝でBIG4を倒したこともある)との試合中に(試合中だよ!?)当時ワウリンカと付き合ってた、女子プロ選手のドナ・ヴェキッチが、キリオスと同郷のタナシ・コキナキス(いい選手だとは思うけど、いまいち伸びがない)と浮気してるって試合中にコートの中で挑発して、その時はワウリンカには聞こえてなかったけど、当然マイクには拾われてたから、後でワウリンカの知るところとなる。で、ワウリンカ激オコ。キリオスとのバトル勃発。そりゃそうだわな。当時は、バカだなキリオス。言っていい事と悪いことがあるよーって思ったけど、少しウケた。
ごめん。

もちろんキリオスはATPから罰金と謹慎くらって、ワウリンカにも謝罪した。

実際のテニスの世界でもそんなことがあるんだから、映画の世界だったらなんでもありだよね。

ゼンデイヤを見てると、セリーナ・ウイリアムズを重ねてしまう。最強だけど最高にわがまま。女子のトップに長いこと君臨してたし、サーブもバックハンドもパワーテニスの申し子みたいな迫力で、試合中のなんでもありも結構激しいし、いろんな意味で際どい事やる。

2018年の全米オープンでの大坂なおみとの決勝戦も凄かった。
まああれはセリーナ自身というより、コーチングしたチームがいけないんだけど(どのチームもやってるけどね)ラモス主審に(この人はまじでよく見てる)運悪く見つかっちゃった。でもまあ、セリーナのその後の態度もいただけなかった。

最近ではおママなった姿がかわいくて、ちょっと大人しくなってるけど、バリバリの時はホントすごかった。
コートサイドにいるセリーナチームの頭の上に、漫画だったら他のどのチームよりも$マークが浮遊してるように見えるのは、私だけだろうか。別にそれはそういう世界だから、問題ないんだけど。

パトリックがサーブする時に送った秘密の合図に気づいて、わざとサーブを返さずに(それもアンダーサーブ)タイブレークに持ち込むアート。
あのシーンは痺れた。
ずっとタシに翻弄されまくってきた2人の間に交わされた、すべてを思い通りに仕切ってきたタシが、唯一知らない男の子同士の合図。
ちょっと気持ちよかった。
その後のネット際まで詰め寄りながら続けられるボレーの応酬の長さは、映画の初めのシーンで「テニスってなに?」って聞かれた時タシが言った「リレーションシップだ」って言ってた事を視覚で見せられた気がした。

あんなに長くボレーを続けられるアートとパトリックの間には2人にしかわからない愛がある。ネットですら超えていく熱い思い。あの瞬間にはタシですら「Come On!」でしか割り込めない。

テニス好きでも楽しんで観ることができる映画だと思う。

ユニクロがからんでるからか「後もう少しで勝てたのに勝てなかったじゃない」って言った試合の相手選手の名前が「シノダ」っていう日本人みたいな響きの選手だったのもなんだかね。

錦◯圭本人は、見ててなんとなく性格的に無理だと思うけど、タシみたいな奥さんだったらどうだったのでしょう?と思ってしまった。
深い意味はないし、余計なお世話だね。



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