お父さんと蝶々とその子供たちと、大切なみかんの木と非道な私。
この間お父さん家に行ってベランダで話してると、
「ねえ、〇〇さん、みかんの木に芋虫がいるんだけど、とって?」と言った。
「いいよー」と言って2人で木のそばに行くと、横から
「3匹いるはず。ほらココとココとココ」と言う。
「本当だー、うちのレモンの木にも最近いるんだよね」
と言いながら、とってあげてたら、
「うわっ、お父さんは触れない。〇〇さんなら出来ると思った」と言った。
突っ込みどころはどこだろう。
1.お父さんは触れない。
2.私なら出来ると思ってた。
3.うわっ。
別にいいけどさ。
そして私に芋虫を除去させながら、
「蝶々が毎日飛んで来るんだよね。きっと子供たちが大きくなってるか見に来てるんだろうね」と言い出す。
「でも、蝶々も子供は大切だろうけど、お父さんもみかんは大切なんだ」
と、まるで無理やり今まさに除去されつつある芋虫達を納得させようとでもしているかのようにつぶやく。
そう、お父さんは毎年みかんの木の成長と果実の収穫にご執心。
確かにあんな鉢植えの7-80センチの木なのに、タワワに実をつける。
肥料をあげたり、日当たりを考えて移動させたり、台風の時は部屋の方に移動させたりして、たいそうな可愛がりようなのだ。
それでも蝶々目線で「子供」とかいう単語を使われると、なんだか私が蝶々界の大悪党で、自分はみかんのために心を痛めながらも泣く泣くそういう行動をとらなければならない、イタイケな心の持ち主なんだと言われてるようである。
でもさ、お父さん、やってることはおんなじなんだよ。
直接手を下してるか、後ろで糸を引いてるかの違いだけだよ。
理由はなんであれ、あなたも蝶々さんの子供を・・・。
あんまりにも言い訳がましく芋虫を排除してる私を長靴をはいたプスがするようなウルウルした目で見てくるから、口に出しては言わなかったけど、そうだよね?同罪だよ。
それに私だって毎年申し訳ないから、枝ごとちぎってクエーカーオートミールのプラスチックの空き容器で、蝶々になるまで入れてやってるんだぞ。
そういう所は見てないくせに、私なら出来ると思っただとー。
その後、芋虫退治が終わったら夕方から始まるジャイアンツ戦に興味を持ってかれて、私の存在なんてもう上の空もいいとこ。
「お土産何がいい?」って聞いたら「美味しいお菓子がいいな」って言うから、色々見繕っていったのに「何日か、甘いものばっかり食べなくちゃいけないな。食べ切れるかな」とか言うし、ジャイアンツ戦が始まる前に夕ご飯を済ませるのが日課らしく「あー、そろそろ夕ご飯食べなくちゃ。でも今日はなんだか作るのが面倒だなあ、いつも食べないようなものが食べたいなあ」とか言い出す。
どうせジャイアンツ戦を見る気満々で誘っても外食には行かないだろうから
「じゃあさ、お惣菜買ってきてあげるよ」って言ったら、またもやプスの目で
「うそっ、いいの?そこのスーパーのお惣菜、結構高いよ」って。
その目は期待マックスじゃん。
ということで、その日はご所望の甘いお菓子をウーバーして、大切なみかんの木の芋虫を退治して、お惣菜を買いに行ってあげて私の任務は無事終了。
でもちょっとだけ、みかんの木を大切に育ててる姿や、マンションのベランダから身を乗り出して待っててくれて、私が歩いてくるのを見つけると手を振ってくれる姿を考慮すると、まあ、そのくらい許してやろうと思う。
いつまでもこうしていられるといいな。
おまけにその日はジャイアンツは勝利したので、終わりよければ全てよし。
でもさ、興味のない人には全くだろうけど、岡本(ジャイアンツの4番、私の推し)がここんとこ打ててないの。
ジャイアンツの4番、日本の至宝な訳だから、挑んでくるバッテリーもそりゃあ目一杯で来るわけ。
やっぱ、気合の入れ方が違うっていうか、それかフォアボールね。
打てないよそんなとこに投げたらってところに投げてくる。
だからとは言え、ここは心を鬼にして厳しいことを言うと、それがあなたの立ち位置な訳だから、それを分かった上でなんとか打たないと。
それでこそジャイアンツの4番って言えるんじゃないの?
頑張れ!三冠王取るんだ。
優勝するんだ。
もしメジャーに行くとしても、優勝もしたことなくて三冠王も取ってなかったら、なんだかねって言われるぞ。
いかんいかん、熱くなってきた。
久しぶりに読みたくなった「レイモンド・カーヴァー」の「Carver's dozen」が本棚にあったはずなのに、見つからない。どうして?どこだ?
この間まで確かにあったのに。探すとなると見つからない。
本棚全入れ替えした時に移動させたんだろうか。
後で、落ち着いてもう一回探そう。
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