𝓸𝓱𝓶𝓲𝔂𝓪@新刊電子版🍈固ツイ

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創作学生百合短編小説 タイトル:恋なんてするものじゃない

1  私、佐藤ユウカは同級生であるところの弓塚ミズキさんに告白しました。  そしてフラれました。  「ごめん、ユウカちゃんのことそういう目で見たことなくって……」という完璧なフラれ文句で完膚なきまでフラれた。「そっか、アハハ、ごめんね、変なこと言って! いいのいいの、一回言っておきたかっただけだから! アハハ!」笑顔で言った私の頬は攣りそうだった。「これからも友達としてよろしくね!」なんとかその場を切り抜けて、「うん、ありがとう」というミズキの声を背にして、気付いたら家に帰っ

    • 創作社会人百合短編小説 タイトル:案外すぐにくっついた。

      1  恋人と別れた。五年付き合った彼女とだ。正直別れる前兆は一年くらい前からあって、もっと言えば一年半くらいは惰性で付き合っていた。  もう三十手前になって、今更長く付き合った恋人と別れたくらいでめそめそ泣いたりしない。半同棲していた私の部屋に帰って、元カノが残していった痕跡を見るたびに、私は一人になってしまったのだと痛感するだけだ。  「……これからどうしようかな」  怠い。ただただ怠い。何かをやってやろうという気にならない。生きていかねばならないから仕事には行くが、イマイ

      • 創作百合短編小説 タイトル:呼吸の仕方

        1  仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。  東京は待ってくれない。  仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。  東京は私を置いていく。  仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。  東京は私のことなど気にも留めない。  仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。  まるで大きな水槽の中にいるみたいだ。息もできずにひたすら泳いで行き止まり、息を吸おうと藻掻いても天井があって、頭を押さえつけられる。  仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。仕事。  もう私は、息の仕方

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