「スクランブルスタジアム渋谷」構想をめぐる誤解と懸念【2】【予定地散策編】
まず候補予定地からの最寄り駅は千代田線/小田急線「代々木公園駅」だ。ほぼ小田急線の「代々木八幡駅」が傍にあるが、いわば日産スタジアム実際の最寄り駅「小机」的位置づけになるのであろう。しかし「代々木公園駅」は改札機も2台のみの小型駅。この駅はスタジオが完成したなら、常磐線乗り入れの千代田線経由の柏サポが常用しそうだが、激混み必至であろう。
ただし実際はJR原宿駅、JR渋谷駅、東京メトロ明治神宮前が公称の「最寄り駅」になるのだろう。
駅の出口を左に進むとすぐ代々木公園交番前交差点に出る。
この交差点で左方に視線を向けるとそう、ここがスタジアム予定地!イメージがあれこれ膨らみます。「サポ間で乱闘になり捕まったらこの交番に行くのか」などなど。
左の上り坂は「代々木公園通り」。ここは直進で原宿駅前に達しますしさらに直進すると表参道方面に向かいます。
さて、ここで現地側ではなく周辺エリアへ先に向かいましょう。候補地の対面には路面店+上階住居のマンション群が並んでいます。更に奥は住宅街です。
「住宅街」と書きましたが実はこの辺りは『奥渋谷』と呼ばれ、数年前から地元から期待されている新スポット。地名では「神山町」「宇田川町」「富ヶ谷」になります。スタジアムが完成したなら帰路渋谷駅を目指す一群は好んで『奥渋谷』を使うのではないでしょうか。地元不動産は大喜びでしょう。
さて、井の頭通りに戻ろう。こちらは周辺住民の層を如実に示すかのようにベビーカーやチャイルドシートのショップが目立つ。
——つまりこの辺りは平均より高収入の20〜30才代夫婦が多く暮らしているエリアなのです。
では本題の公園内に入りましょう!そこでいきなりこんな立て看板を発見!
ここは通称「織田記念陸上競技場(織田フィールド)」。と呼ばれる日本陸連所有の陸上競技場。前回の記事で「最もネックとなる存在」とされていたのだが、この地へはスタジアム建設に向けた事前整備の痕跡を捜しに来たはずが、それどころかこの競技場は改修の予定で来年の2月からは利用再開の計画が読み取れる。現地的に「新スタジアム建設」の気配も予感もない。
現状はこのように陸上競技場とサッカー用のコートはある。これらの土地をすべて使用しスタジアム化するということになるのだろう。
この交差点からスタジアムはその姿をハッキリと確認できるようになるのだろうか?
——結局前回の章で書いたとおり「スタジアム」は現時点ではただの「プラン」であり机上の話でしかない。今回はそれを実感してしまった結果となった。しかし観戦後の奥渋谷散策など、実現した暁の愉しさも充分感じられた。
そろそろ本当に実現するのなら具体的なアクションの報を聞きたいものだ。