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初雪のモンゴルを遊牧民のおいちゃんと

私が小学生だった時、兄が少年サッカーの交流でモンゴルに行くという話があったものの、急きょ中止になったということがありました。だからなんとなくモンゴルという響きに憧れがあり、学校の教科書で『スーホーの白い馬』を学んだ時は、クラスの誰よりも熱心に音読していました。そして大人になり、ふと思い出したんです。「そうだ、モンゴルに行こう」と。

ゲルに泊まって、馬に乗る。モンゴルの馬はちょっと足が短いようでした。聞けば観光客用に遊牧民が飼っているらしく、乗馬では先頭としんがりを担ってくれました。何かを口ずさみながら。歌は遊牧民のためにあると思いました。

次第に慣れてくると、遊牧民が馬をはやし立てるもんだから、道草を食ってばかりの私の馬もパカパカ早歩きし、終いには駆け出しました。「浮いてるやん」と振り落とされないように手綱を握りしめていたんですが、「上手だね」と遊牧民のおいちゃんが笑っていました。こちらは必死でしたよ。

そんなモンゴルですが、いろんな発見がありました。

・末子相続ゆえに、長男は遊牧民じゃない人生を選ぶことが多い
→そのおいちゃんが言っていただけかもしれない

・ゲルの中には電化製品もある
→普通に子どもがテレビを見ていた

・遊牧民の家族の居場所は風の噂で知る
→テレビがあるなら電話もありそうなんだけど

・ツァイ(塩入りミルクティー)はおいしいけどインスタントはオススメしない
→ばらまき土産用に買ったものの大量に残っている……

・遊牧民も車に乗る
→さっきまで馬に乗っていたおっちゃん達が車で去って行った時の衝撃

宿の奥さんに「何か料理を教えてほしい」とお願いし、ブーズ(羊肉の肉まん)を一緒に作らせてもらいました。それを店員のように運び、欧米の方たちのテーブルへ。ちょっと不格好なブーズが並んでしまったのはご愛敬。

季節は10月初旬。初雪に遭遇し、「今日は楽しいね」とはしゃいでいるおっちゃんは普通にかわいかったです。

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