おまつ

書くことを仕事にしています。自転車雑誌→経済紙→趣味系雑誌→ライフ・旅系サイト→スポーツサイト→金融メディア(now)。暇さえあれば泥のように眠り、前触れなく旅に出ます。でも、やるときはやるやつです。

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最近の記事

ランニング歴は小学生から? 生涯現役だもんで。

ランニング歴を問われたら「小学生から?」ということになると思います。今日は遠くで稲光も走っていました。ずぶ濡れです。 小学生の時、微熱だったものの「抜かされたら連れていかないよ」と言われながら、きょうだい3人で駅まで走るということもありました。 中学生の時、全中選手だった兄のジョグについていったら滅茶苦茶きつく、次こそ左にいって折り返すんだろうと思っていたらまっすぐいっちゃったから、「先帰る」と一人左折したこともありました(あとで「よくついてきたね」と言われたけど、私から

    • インドの「青い街」ジョードプルで出会った純朴で懐かしい感情

      確かにこの街に行きたいと思ったのは「ブルーシティー」に惹かれたからだった。でも今振り返ると、一番に浮かぶのは純朴で人懐っこい住人たち一人ひとりの顔。ブルーシティーと呼ばれる街は他にもあるものの、どこか懐かしい思いにもさせてくれるこの街に出会えて良かったと素直に思えてくる。インドの片隅にある「ジョードプル」という街に。 ちなみにモロッコのブルーシティー「シャウエン」にも行った際の記事はこちら。 ブルーシティーに迷い込むジョードプルは北インドのラージャスターン州にある街で、ニ

      • 能登半島を牛もビックリするような牛歩をした日

        能登半島地震に対してできることはなんだろうと思いつつ、個人による現地での支援が救助・救援の妨げになっているという情報発信を見ながら、今は義援金が精一杯なのかなと考えていました。 ちょうど10年前、能登半島すずウルトラマラソンに出走しました。友だちと一緒にと思っていたものの、予定が合わなかったので一人で参戦。冷たい雨も降っており、何度も心が折れそうになりました。でも地元の方々が沿道に座り込んでずっと応援してくださったり、私設エイドも用意してくださったりと背中を押してくれました

        • 「松永生花店」の千秋楽と「花屋の娘」の卒業

          皆さまのおかげで、「松永生花店」は2023年末に千秋楽を迎えられました。花屋の娘も卒業です。 母自身、受け止められずにいたこともあり、ご挨拶ができなかったお客さまが多くいらっしゃいます。いきなりがらんどうなお店になっていてびっくりさせてしまうことが心苦しいのですが、長きにわたり多くの方々に支えていただいたことを、母も涙ながらに感謝しております。ありがとうございました。 祖母から受け継ぎ、母と姉は40年近く、私は30年近くになります。フランス留学とコロナ禍以外のお盆と年末は

          鹿島で「岩政大樹監督!」と叫び続けた日々

          鹿島アントラーズを応援していたのは「岩政大樹さんがいるから」が理由でした。監督退任にあたり、一言だけでもと思いご連絡を差し上げたところ、ご無沙汰していたにもかかわらずいつものように数分で返信をしてくださる律儀な方です。 4years.での連載は「まずは1年だけでも」から始まり、結局、2年半続きました。そんな連載は2021年12月に「来年は川崎フロンターレが3連覇に挑む年。鹿島はなんとしてでもそれを阻止しなければなりません。そんな時に戻らずしていつ戻る」というお言葉で最終回と

          鹿島で「岩政大樹監督!」と叫び続けた日々

          テオ・ヤンセン展で感じた命の物語

          BMWの最初のCMは2007年だったようです。大きなプラスチックの骨組みがしなやかに浜辺を歩く。見えないところに動力があるんだろうと思っていたものの、風という本当に見えないものだと知ってワクワクしたものです。千葉県立美術館のテオ・ヤンセン展(2023/10/27~2024/01/21)に行ってきました。 SDGsだとか、造形芸術だとか、機械工学だとか、色々な評価ができるでしょう(ちなみに彼は造形美を求めたのではなく、機能を追求した結果だと言っています)。私個人としては、75

          テオ・ヤンセン展で感じた命の物語

          名大初のプロ野球選手・松田亘哲くんのその後

          「初登板の日は駆けつけるから」と言っていました。戦力外通告でマウンドを降りたなら今なんだろうと思い、松田亘哲くんに会いに行きました。 初めましては4年半前。高校はバレー部でリベロだった子が、名古屋大学初のプロ野球選手を目指す。大学で初めて硬式野球を知る左腕投手、それも黒縁眼鏡。話を聞いてみるとやっぱり面白い。 嬉々として書いた原稿はいろんなメディアの目にも触れたようで、その後、取材が相次ぎ、中日も本気になってくれたと服部監督が言ってくれました。でもそれはたまたまで、一番は

          名大初のプロ野球選手・松田亘哲くんのその後

          4years.を通じてご縁をいただいた皆さまへ

          2018年から4years.のローンチメンバーとしてやってきましたが、2022年9月30日をもって朝日新聞社を退職することなりました。本当に多くの方々に支えていただきました。少しでも多くの方々に感謝の気持ちをお伝えできればと思い、記させていただきます。 松永の著者ページ) https://4years.asahi.com/author/10650001 数えてみたところ、自分が取材をしただけでも18競技、年140本以上の記事を書いてきました。編集担当分を含めればその倍以上

          4years.を通じてご縁をいただいた皆さまへ

          例え箱根駅伝を走れなくても、これまで積み重ねてきたものの重みは失われない

          「箱根で走る(選手たちの)後ろ姿を見ながら、今のこの状況を思い出して泣いちゃうかもしれない。こいつら、あんなに頑張ってやってきたんだよなって」 昨年6月に帝京大学駅伝競走部を取材した際、中野孝行監督はそうつぶやきました。箱根駅伝の取材をするようになってからいつも思うことなんですが、箱根駅伝を走る10人の選手だけではなく、ここまで頑張ってきた選手みんなに「よく頑張ったね」と伝えたいです。特に今シーズンはいつにも増して。 私の兄もかつて箱根駅伝を目指していた選手でしたが、1度

          例え箱根駅伝を走れなくても、これまで積み重ねてきたものの重みは失われない

          モーリシャス座礁事故、その近くにある燃える島・レユニオン

          インド洋の島国モーリシャスの沖合で貨物船が座礁し、事故から1カ月経った今も重油の除去活動が続いています。この事故でモーリシャスがどこにあってどんなところなのかを知った人も多いと思います。そのモーリシャスの近くには仏海外県のレユニオン島もあり、今回の座礁での影響が懸念されています。 私がフランス留学をしていた時、一番仲よくしてくれた子のお母さんがレユニオン出身でした。だからいつもごちそうになっていた料理も、どこかにレユニオンが見え隠れしていました。そのひとつがライチ。食後に会

          モーリシャス座礁事故、その近くにある燃える島・レユニオン

          あるコラムニストからもらった最初で最後の返信

          編集・ライターとして働き始めて十数年。とくに誰かに言われたわけではないんですが、誰かの原稿を確認するときは必ず、一言でも感想を伝えるようにしています。自分が書いた原稿を世の中の人はどう感じるんだろうって、やっぱり気になる(気にすべき)ところだと思います。自分が最初の読者になるわけですから、どんなに忙しくてもそれは最低限の礼儀だろうと私は思っています。 数年前、元々の担当者が退職することになって引き受けたあるコラムニストについてです。遠方に住まわれていてなかなかご挨拶ができず

          あるコラムニストからもらった最初で最後の返信

          海外留学の前に歯医者、話はそれからだ

          海外留学を考えている人に何かアドバイスをするなら、私は「とりあえず歯医者に行ってから出発しよう」と言いたいです。一般的な海外旅行保険の治療・救援費には歯科治療が含まれていません。つまり、虫歯になったら実費になります。国によってばらつきがありますが、総じて日本の歯科治療費は安いそうです。 私は基本、歯医者には「虫歯になったら行く」程度。ゆえに1年間のフランス交換留学前も、まったく歯を心配することなく日本を発ちました。8月に日本を発ち、月日が流れてクリスマス。まさにその朝に歯を

          海外留学の前に歯医者、話はそれからだ

          謝罪はプライドや自尊心を考え始める前に

          力があるわけでもエリートでもなんでもないのに、プライドも自尊心も高い私です。勝負には勝ちたいし、仕事現場でも「この中の誰よりもいい仕事をしたい」という気持ちだけはいつももっています。 思えば最初の決定的な挫折は高校時代の部活動でした。小中学校の時にもスポーツはしていたものの、高校ほどの熱量ではありませんでした。最後の大会で自己ベストではあったものの、7位で続く大会を逃しました。努力が足りませんでした。でも当時は「頑張っても届かないものはあるんだな」と思い知らされたものです。

          謝罪はプライドや自尊心を考え始める前に

          初雪のモンゴルを遊牧民のおいちゃんと

          私が小学生だった時、兄が少年サッカーの交流でモンゴルに行くという話があったものの、急きょ中止になったということがありました。だからなんとなくモンゴルという響きに憧れがあり、学校の教科書で『スーホーの白い馬』を学んだ時は、クラスの誰よりも熱心に音読していました。そして大人になり、ふと思い出したんです。「そうだ、モンゴルに行こう」と。 ゲルに泊まって、馬に乗る。モンゴルの馬はちょっと足が短いようでした。聞けば観光客用に遊牧民が飼っているらしく、乗馬では先頭としんがりを担ってくれ

          初雪のモンゴルを遊牧民のおいちゃんと

          人種差別はある、でも移民2世のアブデルが教えてくれたこと

          米国で起きた黒人男性暴行死をきっかけにして、世界的に改めて人種差別が話題になっています。歴史的、文化的、ときには能力的な違いで誰かを区別することで、自分たちのステータスを守る。根が深い問題だと思います。 人種差別と聞いて私が思い出すのは、もう15年ぐらい前のフランス留学間もない時に、道で出会った感じのいい年配のマダムのことです。「留学しているの。頑張っているわね」と微笑んでくださった直後、「でもあなたの大学にはマグレブ(北西アフリカ諸国)からの移民はいないでしょう。彼らは怠

          人種差別はある、でも移民2世のアブデルが教えてくれたこと

          一生忘れられないフランス語

          3カ月以上のフランス留学をする場合、学生ビザが切れる前にフランス移民局(OFII)で滞在許可証を発行してもらわないといけません。「入国したらすぐした方がいい」と言われた理由がよく分かりました。とても時間がかかるからです。「ちゃんとフランス語がしゃべれる人と出直して」と一度、帰されたこともありました。しょうがないので、あめちゃんを配って友達になってもらったフランス人の子と一緒に行きました。 書類提出が終わると健康診断を受けるように言われます。指定された日時に病院を訪れると、同

          一生忘れられないフランス語