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片耳しか聞こえない私が得していること

生まれつきかどうかは分からないけど、とりあえず私の記憶にある限りでは私の右耳が聞こえた歴史はないです。聞こえていたのが聞こえなくなったら、それは不便でしょう。でもいまとなっては、急に聞こえるようになると困ると思います。いまはこの体質を受け入れています。というか、メリットは確実にあります。

そのきっかけをくれたのは親戚のおじちゃんでした。母が悲しむので、私は小さいころは自分の右耳が聞こえないことをあまり人に話さないようにしていました。でもおじちゃんは「世の中には聞かなくていい話はごまんとある。むしろラッキーなのかもしれませんよ」と言ってくれました。

右耳が聞こえなくて得したこと。たぶん、私の集中力の高さはこの耳が一つの理由だと思います。聞くと聞かないとが割と意識的にできます。逆に「聞こえませんから」とアピールしておくことで、聞こえていないふりもできます。

寝るときに左耳を下にすると静かに眠れます。「目覚ましとか火事みたいな危機的状況になったらどうするのか」という疑問はあるかもしれませんが、自然と寝返りを打っているので大丈夫です。とにかく寝付きはいいです。

姉が自然と私の左側にきてくれることもそう。何も言わなくても、人の気遣いが伝わってきます。

右耳が聞こえない分、左耳の聴力は普通の人よりもいいです。某朝ドラでは「(聞こえない)左だけ晴やね」って言っていましたが、私は聞こえない方は風が止まっていて、聞こえる方は風の音がするという感覚です。だから、普通の人よりも聴力がいい左側では感覚も敏感です。大きくなって気がついたんですが、私が左利きなのは耳が理由なのかもしれません。いまは両利きになりましたが。

不便はあります。飲み会では常に右端を狙わないといけないし、もしかしたら歌があまりうまくないのも、ちょっとだけ車酔いしやすいのも、耳のせいかもしれない。でも、ないならないなりに、ちゃんと生きています。

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