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最後のセンター試験

今年は「最後のセンター試験」だそうです。残念ながら、私のセンター試験は1回だけではありませんでした。だからこの言葉を聞いたとき、浪人生の「これで最後にしたい!」という願いから生まれた言葉なのかなと思っていました。

センター試験と聞いて、気持ちのいい思いにならない人も多いでしょう。私もその一人。受験が終わって数年は何度も、「え、分かんない。どうしよう。時間もない……」という夢を見ました。そして目覚め、「もういいんだ」って安心したものです。

その「最後のセンター試験」のことはよく覚えています。

当時大学院に通っていた姉が全面的に支えてくれました。姉が住んでいたアパートの住所で出願し、姉の大学で受験。いまだから言えることですが、受験当日の1週間前から姉の家にお邪魔し、姉の研究室で勉強をしていました。「歩いて行けるから大雪でも安心だし、見知った場所で受験した方があがらないでしょう」という姉の配慮です。加えてご飯も作ってくれました。

そしてセンター試験当日。なぜかセンター試験の日って雪が降るんですよね。その年も結構な雪が降りました。でも私は問題なく、時間通りに会場入りをしました。1日目を終え、2日目の朝刊には回答が出ます。「自分で採点したいから新聞取っておいてね」と姉に伝え、家を出ました。そして2日目も終わりました。

姉に電話をすると開口一番、「よく頑張ったね!!」。「まだ分かんないけど」と言うと、「英語なんて190点もあったよ! これなら大丈夫」。んん? 心配のあまり、姉は私が家を出るとすぐに採点をしてしまったらしい。「こんなのは人にやってもらった方がいいんだから」とのこと。「結果が悪かったらどうするの?」と言えば「そのときはそのとき」

「最後のセンター試験」は模擬試験も含めて過去最高の点数でした。姉を困らせずに済んだ。それだけでも、あの苦痛の日々には意味があったと思っています。

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