電車の電気

電車の電気が消える。当たり前すぎてもはや気がつかない

この前、久しぶりに実家の最寄り駅を利用しました。毎年2~3回帰省しているんですが、電車で最寄り駅まで帰ったのは10年ぶりぐらいになるのかな。確かにわがふるさとは田舎でしたし、田舎です。それでも、いまもICカード非対応なところに、断固とした意志を受け取りました。

私の最寄り駅は山陽本線に属しています。高校時代に予備校へ通っていたときは、毎日、本州と九州を行ったり来たりしていました。そう、海を渡ります。なので東京の友達に、つい「電車の窓から魚が見られるんだよ」と話したことがあります。「え~すごい!」と友達から返されたときは、こっちがビックリしてしまいました。

そんな日常的に海を渡っていた人間なので、その九州側の入り口にあたる門司駅に向かう際に一度、電気が消えるのは当たり前すぎて、もはや意識もしなくなりました。東京に来て、あれはすごいことなんだなと改めて感じています。

なぜ電気が消えるのか。それは架線に流れている電気が違うからです。本州側は直流1500ボルトで、九州側は交流2万ボルト60ヘルツです。走行中に加え、門司駅に停車中にも一度、車内照明が消えます。話に聞くと、比較的新しい電車では車内照明が消えなくなったそうです。しかし私が慣れ親しんだふかふかのボックス座席を備えた415系交直流電車たちは、いまも息を整えるかのごとく、照明をパッと消してパッとつけます。

そんな電車に乗って高校に通っていた当時の私は、いつも立ちこぎで自転車を踏み倒し、滑り込みセーフで電車に乗っていました。そんな自転車姿を見かけた兄の友達は、「お前の妹、武田鉄矢になってたよ」と兄に報告していたそうです(髪を逆立てて走っていた姿がそう見えたようで)。電車の乗り口が歩道橋の先にあったため、猛ダッシュで駆け上がりながら、「今日こそ間に合わない」と何度も心が折れそうになりました。大変よく、鍛えていただきました。

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