ハロヲタはハイレベルな文化集団。

 10年間のヲタク生活の中で、ハロヲタの文化レベルは高いと感じることは多々ありますが、つい先日もそんな出来事がありました。

ハロコン定点映像公開。

 8月31日・9月1日の2日間予定されていた愛知でのハロコンは、台風10号の影響で中止となりました。4年半ぶりの全体ハロコンの千秋の中止を受けて、事務所はこの前週の東京でのハロコンの全編映像のYouTubeでの限定公開に踏み切りました。事務所の大サービスに全世界のハロヲタが歓喜し、Twitterでは事務所の社名である『アップフロント』が一時トレンド入りするほどの熱狂ぶりでした。
 公開された映像は、DVDで発売されるようなメンバーのアップが入っているモノではなく、定点映像という客席中央付近からステージを映し全体を見ることが出来る、いわば内部資料としてメンバーやスタッフの方が見返したりするモノです。しかしながら、そんな映像だからこそ楽しめるとの声が多く、ヲタクにとってはまさに嬉しいサプライズとなりました。

定点映像が嬉しい理由。

 定点映像が嬉しい理由はいくつかあります。
 一つ目は、本来公開されるモノではないという点です。ハロプロの場合にはYouTube番組のハロステで1曲分が公開されたり、CDの初回限定版特典にダンスショット映像が収録されたりと、ハロヲタにとって定点映像は馴染みのあるモノではありますが、ライブ映像全編の定点映像が公開されるには異例であり、まずその点が歓喜の要因です。
 二つ目は、ステージ全体が見渡せる点です。コンサートに行っていると、最前の出来るだけ近くでメンバーを見たいと願う反面、離れた位置から全体のフォーメーションの美しさを観たいという思いも駆られ、結果2公演申し込んだり、推しを追う時間と全体を観る時間を分けたりしています。DVD等に収録される映像の場合には前者に近い編集となりますが、今回公開された定点映像は後者のモノとなります。今までは叶えられなかった観覧方法が実現したことも、ハロヲタの喜びへと繋がりました。また、特にハロコンの場合には応援席(=ひな壇)に座るメンバーもいるため、定点映像でそのメンバーの様子が確認出来たことも喜ばしい点でした。
 三つ目は実際のライブに近い間隔を得られる点です。現場では、DVDのようにアップでメンバーを観ることが出来ず、ステージとスクリーン、場合によっては双眼鏡を往き来しながら、パフォーマンスの様子を確認しています。そして定点映像はまさに客席中央付近から撮影された映像であり、本当の意味での臨場感を備えた映像と言えます。だからこそ、自宅からでも会場に足を運んだかのような感覚で映像を楽しむことが出来たのです。

サッカー中継のカメラアングル

 サッカー中継においてカメラアングルが議論の的になることがあります。サッカーの場合には、ボールを中心に選手がピッチ上を動き回るため定点映像ではありませんが、詳しくゲームを分析するためには、2つのチームの最終ラインがひとつの映像内に収まっている方が良いと言われています。そうすることで、チーム全体の陣形や立ち位置を把握し、ボールのないところでの駆け引きも確認出来るため、よりサッカーを本質的に楽しむことが出来ると言われています。しかし、一般的なテレビ中継の場合には、ボールに近い局面をアップにしたり、場合によってはプレーに直接関係ないベンチやスタンドの様子を映したりしている様子が見られます。テレビ中継である以上、サッカーに普段関心のない方も楽しむことが出来るような配慮もあるかとは思いますが、日本全体のサッカー文化の質が高まれば、カメラアングルも変わってくることでしょう。
 この点を考えると、定期的に短編ながら定点映像がアップされる文化があり、今回のハロコン定点映像に歓喜し、その中でメンバーのパフォーマンスを存分に楽しみ、語り合うことの出来るハロヲタの文化レベルは非常に高いと言えるのではないでしょうか。

進化した視覚を磨く。

 オタキングとして知られる岡田斗司夫氏は、コンテンツを見極めるオタクの眼力を”進化した視覚”と表現しましたが、ハロヲタにはこの”進化した視覚”が備わっているように感じます。私自身、数年前に仕事の関係で、他界隈の大手アイドルのリハーサルとパフォーマンスを見ることがありましたが、リズムの取り方や歌い方、フォーメーションなど様々な面で、ハロプロとの大きな違いを感じました。私がアイドルに興味がなければこれらの違いに気付くことはなかったでしょう。
 界隈の質を高めるためには、進化した視覚を更に磨いて行くことが大切かと思います。今回のハロコン映像で、ハロヲタの視覚は更にレベルアップしたことでしょう。

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