詩人になれ #青ブラ文学部
青空にひとすじ昇る龍の背に
つかまりわたし龍の子になる
なにそれ?
急に歌なんか詠んで。
いやほら、だってあの雲すごいでしょ。
龍だよ、龍!!
ただの飛行機雲でしょ。
どうしてそうロマンもへったくれもないこと言うかなあ。
これから先の旅路が素晴らしいものになるよっていうご加護のお印なの、あれは。
へえ、なんでも良いように取る才能あるね。
そうだよ、わたし龍神に愛されてるから。
守られてるの。
ハンドルを握って目的地にきみを安全に運んでるの、俺なんだけどな。
スマホで何枚も夢中になって雲の写真を撮っている彼女の耳には何も入るまい。
ねえ、なんか歌詠んでよ。
いやだよ、こっちは運転に集中してるんだから、それどころじゃないよ。
無茶振りしてくる彼女の頬がぷっと膨れるのがわかった。
はあ、小さく胸の内でため息をつく。
龍よりもとなりの男を見るがいい
きみの僕に成り果て果つる
え、彼女の大きな目がよりまん丸くなる。
すごーい!!
ちゃんと短歌になってる!!!
しかもなんだかカッコいいし、才能あるよ!!!
いつになく褒めてくる饒舌さにまんざらでもないオレは詩人になるのも悪くないなと思いながらカーブにハンドルを切った。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
ギリギリにようやく滑り込みました笑
フィクションと創作のコラボにしてみました。
よろしくお願いいたします✨
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?