これからの世界で役立つ力が育まれる授業集
子どもたちが大人になるころには
AIによって今ある多くの仕事はなくなり、
自分だけがどうにかしても解決しない問題(コロナ、大気汚染、温暖化による被害など)が増えてくると言われていますね。
そんな中従来どおりの教育を行っていてはいけないというところまでは日本でも共通の認識に至ってきているように感じています。
じゃあどうしたらいいのか?
という部分、今学期のUniversity of the Peopleで受けている授業で色んなレポートが紹介されていたので、5冊共有したいと思います!
1. TEACHER GUIDE K-12 GLOBAL COMPETENCE GRADE-LEVEL INDICATOR
とっても可愛くて、今日からでも使えるアイディアが満載の本がこちらです!
アメリカでグローバルエデュケーションを広めるために活動している団体が作った小冊子で、コンセプトがとってもわかりやすくてシンプルでかわいいです。
例えばこのページ。
理解だけじゃなくって、探求、つながり、そして、統合も大事なんだよ!ということがこのかわいいワッペンのような形で示されています。
知識も大事だけど、わからないことを探求する態度やお互いの考え・経験を尊重しながら学び合うスキルも大事だよということも書かれています。
そしてまたこの絵も分かりやすいなって思いました。
ただ教えるだけではない学びの一つの形態として、プロジェクトベース型の探求がありますが、それは今教室で行っている実践をちょっと広げるだけでできるんだよ!ということがこの図で示されています。
ファシリテーションなどで言われていることと同じですね。
その後は、上のシンプルな構造にしたがって、幼稚園から高校まで取り組める具体的な例が紹介されています。
現役先生だと参考になることも多いかもしれません。
2. Inquiry into Practice: Learning and Teaching Global Matters in Local Classrooms.
こちらはカナダで作られた本です。
カナダではグローバル化する社会で役立つ知識を学校でどのように扱うかについて様々な取り組みが行われているようです。
その中の一つ、Ontario Institute for Studies in Education, University of Torontoでは、トロント大学の先生と現役の先生がタグを組んで理論と実践をつなぐ試みを行っています。
その報告書がこちらの著書です。具体的にどのようなことが行われているかが書かれています。
私はあまりときめかなかったのですが、現役の先生とその分野の研究者が一緒に取り組むっていいなって感じました。
3.Educating for global competence: Preparing our youth to engage the world.
こちらは、The Council of Chief State School Officers というアメリカの公立学校に教育内容を提案したり、公立学校の見解を政府や専門機関につなぐ役割を持つ団体と、
アジアとアメリカの関係教育を通して理解を広めていこうとするAsia Society-Partnership for Global Learningとの合同で書かれています。
結構しっかりと、
なぜグローバルコンピタンスが必要なのか
ということや、
グローバルにコンピタントな生徒とはどのような生徒か?
それはどのようにして培われるか、
などしっかりと説明されていて読み応えが有りました。
読んでいると、確かに、子どもたちが大人になった時は、随分と社会の様子や、世界との繋がり方、感じ方は変わっているだろうなと納得行きました。
だからこそ、
自分とは違う意見を持つ人との繋がり方、
自分の考えを相手に伝わるように伝える大切さ、
お互いを尊重しあえるスキル
なぜ、先生中心の教え方では不十分なのか
など
説明のロジックや
ストーリーの描き方もとても参考になりました。
4.What Is Global Competence?
コロンビア大学とAsia Society for the Global Competence Certification Programの合同で作成されたマトリックス。
かわいい色合いでみやすいです。
私にはちょっと刺さらないのですが、書かれていることはまずは大人自らが率先してできるようになりましょう!というのはごもっともと思います。
5. Education for sustainable development: Sourcebook.
こちらは、持続可能な開発のための教育のソースブック。
持続可能な開発のための教育と聞くと、環境教育のことかな?開発教育のことかな?と思われるかたもいらっしゃるかもしれません。
ところが今回の授業で学んでいることは、持続可能な開発のための教育はまさに、21世紀型の教育の一つの方法なんだよということです。
確かに、これからの世界、開発だけで突き進めない中、持続可能な開発が目指される世界にますます近づいているので、納得できるのですが、今まで面白いくらいこの2つがつながっていませんでした。
改めてソースブックを見てみると、
21世紀型の社会で活かせる力は、
今教室で実践していることをちょっと広げてみたり
問いかけを深めてみるだけでも
育み始めることはできるよ、
とそんなちょっとした工夫満載で面白かったです。
まとめ
21世紀型の教育と聞くとなにか今とは全然違うことをするのかと肩に力が入りそうになっていましたが、
そうではなく、ちょっとした問いかけや話題の選択でできることがいっぱいあることに気付かされました。
最も違うのは、先生や生徒の姿勢。
如何に教室内でも多様性に配慮しながら、
学びを伝え、広め、深め、つなげていけるか。
この方法、きっと先生も子どももますます面白くなる方法だと思います!
日本でもどんどん広がっていきますように!
References
Boix Mansilla, V. & Jackson, A. (2011). Educating for global competence: Preparing our youth to engage the world. New York: Asia Society. Retrieved from https://asiasociety.org/files/book-globalcompetence.pdf
Evans, M., Montemurro, D., Gambhir, M., & Broad, K. (Eds.). (2014). Inquiry into Practice: Learning and Teaching Global Matters in Local Classrooms. Ontario Institute for Studies in Education of the University of Toronto (OISE). http://www.oise.utoronto.ca/oise/UserFiles/File/TEACHING_GLOBAL_MATTERS_FINAL_ONLINE.pdf
United Nations Educational, Scientific, and Cultural Organization. (2012). Education for sustainable development: Sourcebook. https://sustainabledevelopment.un.org/index.php?page=view&type=400&nr=926&menu=1515
VIF International Education (n.d). Teacher guide. K-12 global competence grade-level indicators. Partnership for 21st Century Learning (P12). https://s3.amazonaws.com/com.appolearning.files/production/uploads/uploaded_file/818f97c9-21e2-4de3-82fa-30b2e63aecc6/K-12GlobalCompetenceGrade-LevelIndicators.pdf
What Is Global Competence? (n.d.). Retrieved from https://www.worldsavvy.org/our-approach/global-competence/.