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日航123便墜落事故(事件)・第54回〜遺族向けに出された「事故調査委員会報告書についての解説」。そこに掲載された、自衛隊のミサイル云々の文言が意味するものとは?
国土交通省公式HPに掲載の「日本航空123便の御巣鷹山墜落事故に係る航空事故調査報告書についての解説」を見ると、こんな文言がある。
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〈「自衛隊のミサイルが当たって墜落した」という主張も出ています。〉
最初にこれを目にしたときは、陰謀論派の自分はちょっと驚いた。こんな陰謀論的疑惑を、国土交通省はしっかり公の文書に載せてしまうんだと。
おそらく、小池百合子氏が公式文書を発表したとしても、「自分には、カイロ大学を卒業していないという主張も出ています」などとは、わざわざ書かないと思われる。世間をよけいに煽るだけだから。
ただ、あらためて、解説書を最初から注意深く読んでみると、ちょっとした違和感も浮かんでくる。「自衛隊のミサイルが当たって墜落した」って、なんとも唐突で、アバウトな言いまわしじゃないか? 文脈を踏まえると、18時24分台の相模湾上空でのインシデントの原因を指しており、最後の御巣鷹山付近での墜落における理由を指したものではないはずだが、にしても、アバウトな感は否めない。
周知のように123便は、インシデント後、すぐに墜落したわけではない。くだんの文言を正確に書くとすれば、〈「自衛隊のミサイルが当たり、一部垂直尾翼等を失い、操縦に必要な油圧も全て失われた結果、約32分間の迷走飛行の果てに墜落した」という主張も出ています。〉といった旨の書き方になるだろうか。
ただ、やはり、こういう文言をはっきり載せた理由は気になるところだ。
単刀直入に言うと、なんらかの思惑があって“あえて”載せたのではないか? という疑念。推理小説において(いや、実際の事件でもいいが)、犯罪に関係した人間は自分に不利なものを隠すのが常だが、あえて、何事もないように見せ続けるというのも手法としてありうる。さらに、犯罪とはまったく関係ないながら、いかにも怪しげな事象、偽の証拠を挙げてみせ、目眩ましに使ったり、捜査を攪乱させるという手法もありうる。
では、くだんの文言の場合はどうか。思うに、「自衛隊のミサイルが当たって墜落したのではない」というのは正しいのだろう。国土交通省、および事故調査委員会の報告書的にも自信を持って反論できることなのだろう。
ただし、「自衛隊」、「ミサイル」、「当たって」などを他の言葉に入れ換えた場合についてはその限りではない、また別の話になるということではないのか?
文章のまやかし、トリックですね。仮に「これまでほかにもこんな主張が出ています」と、無人標的機衝突疑惑など、いわゆる陰謀論を2、30個ぐらいズラズラ文章として挙げて、「これらはすべて違います」とハッキリ断じてくれたなら、こちらは何も言えないはずだが、たったひとつ〈「自衛隊のミサイルが当たって墜落した」という主張も出ています。〉だけでは、納得しろというほうが無理だ。
先に、小池氏の名前を引きあいに出したが、この解説書の文言が世間へのよけいな煽りになっていないのは、やはり、123便事故に対する関心度の低さだ。
風化させないよう、やれる範囲でコツコツやっていくしかない。
日航123便事故に関する考証動画シリーズ『ワタナベケンタロウ動画』最新回(第152回)はコチラから。衝突疑惑の無人標的機、実は専用の艦船がなくても飛ばすことができた……?