「マクナマラの誤謬」と日銀の物価目標2%
山本謙三氏の『異次元緩和の罪と罰』という新書を読んでいて「マクナマラの誤謬」という概念が紹介されていた。
「マクナマラの誤謬」とはベトナム戦争を手動したアメリカのマクナマラが数字にこだわるばかり大局を見失うという教訓である。
マクナマラは「キルレシオ」という数字目標を提唱した。アメリカ兵一人の死者につきベトナム兵10名の死亡をキルレシオ1:10と定義し、これが達成されればベトナムは負けるとしたのだ。キルレシオを計算するための将校を部隊に派遣したという。
ベトナム戦争の結果はご存知の通りである。キルレシオでベトナムの戦意は消失しなかったのである。
山本謙三氏は日銀が物価目標2%という言わば経済目標のキルレシオに固執したことが異次元緩和の失敗の一つだとしている。
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