ワープロ変換の時代だから「輿論」を薦めてみればどうか
佐藤卓己の『あいまいさに耐える』を読んだ。
本の中で、熟議されたものを「輿論」と、あまり考えられていない意見を「世論」と分別して使うことを提唱していた。
民主主義が熟議民主主義となりポピュリズムに堕しないことを願ってのことである。戦前は「輿論」と「世論」は別認識だったという。
しかし、「輿」が常用漢字から外れてしまい、「世論」と書いて書いて「せろん」とも「よろん」ともどっち読みしてもいい時代となった。
そして「世論調査」によって熟考だれてものとよく考えられてないものも「世論」として流通され、表面的な「世論調査」の数字で政治が左右される状況を生んでいるという。
現代はワープロの漢字変換で「輿論」と難しい漢字でも誰もが表記出来るようになった。人の名前も漢字変換の容易さから難しい漢字表記にこだわる人が増えている。
いい機会だから「輿論」という呼び方と「世論」という呼び方を区別して熟議民主主義を再考してみてはどうだろうか?
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