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「経済人」を認めなかったシュンペーター
シュンペーターは「創造的破壊」や「イノベーション」という概念で資本主義の優秀性を高らかに謳い上げた。現代の新自由主義者でシュンペーターを援用する人も多い。
しかしシュンペーターは意外にも新古典派経済学の「経済人」という前提には疑念を持っていた。市場を「静態」と「動態」という二段階で捉えていて現代の新自由主義者の如く市場にすべてを任せれば万事解決するとは捉えていなかった。
経済学はあくまでも社会「科学」なので文献学的に古典テクストを読む必然性はないのだが、原典に当たってみると新発見があるものだ。