夜汽車
二人用声劇
『夜汽車』
(BGM)
ナレーター:
「彼女は窓から外を見つめていた。夜空に浮かぶ星々が、彼女の眼を奪っていた。」
(効果音:窓を開ける音)
彼女:
(深呼吸をしてから)「あの星たち、どれくらい遠いのかな…」
(効果音:風が吹く音)
ナレーター:
「風が窓から吹き込む。彼女の髪が舞い上がる」
彼女:
(小さな声で)「風がとても心地いい…」
ナレーター:
「彼女は窓辺に座り、星空を見つめ続ける。その時、遠くから汽笛の音が聞こえてくる」
(効果音:汽笛の音)
彼女:
(嬉しそうに)「あっ、あの音は…」
ナレーター:
「彼女は、窓から汽笛が聞こえて来た方向を見る。すると、遠くの山の上に輝く灯りが見えた」
(効果音:汽車の走行音)
彼女:
(大きな声で)「あ、汽車が来た!」
ナレーター:
「汽車が近づいてくるにつれ、その音はますます大きくなる。そして、やがて汽車が見えてくる。」
(効果音:汽車のブレーキ音)
ナレーター:
「汽車が止まり、乗客たちが降りてくる」
彼女:
(小声で寂しげに)
「私の好きなあの人は、あそこにいるかしら?…」
(BGM)
ナレーター:
「彼女は夜空に浮かぶ星々と、遠くに消えゆく夜汽車の灯りをいつまでも見送っていた。その心には何とも言えない切なさが残った。しかし、それは彼女にとって、大切な思い出として、心の奥に刻まれたのであった」