【旅行記】中国の山は監視カメラだらけ
こんにちは。おひたしと言います。私はnoteでほぼ読み専なのですが、たまには自分でも書いてみたいと思っています。
いまは新社会人なのですが、日常について書いてもあまり面白くないので、大学時代、中国での短期留学中にハイキングに行った話でも書いてみたいと思います。
私が半月だけ留学していた大学は、浙江省の杭州市というところにありました。だいたい上海から西に150kmくらい行ったところにあります。日本では杭州という地名をあまり聞かないので、行く前は「のどかなところなのかな?」と思っていましたが、行ってみるとかなり現代的な都市でした。
土日は大学が休みだったので、せっかくならのどかなところにも行ってみたいと考え、同じ浙江省の中で東の方に位置する温岭(ウェンリン)というところに行きました。
まず高速鉄道の予約をしたのですが、その手続きがかなり複雑でした。専用の予約サイトで名前、電話番号とパスポート番号を入力してチケットを取り、駅でパスポートを呈示して手荷物検査を受けると、やっと乗車できます。
日本の新幹線だと、匿名できっぷが買えて、改札にきっぷを入れたらすぐ乗れるので、それに比べると不便に思いました。当局が、誰がいつどこから乗ったかを記録しておきたいのでしょうが、乗客からすると面倒です。
日本の新幹線とよく似た列車に乗って、揺られること2時間。浙江省東部にある温岭駅という駅に着きました。写真を撮り忘れてしまいましたが、杭州東駅に比べるとこじんまりとしていて、人もまばらでした。周りの建物もやや古びていて、現代都市・杭州との雰囲気の違いを感じました(とはいえ、内陸の地方都市に比べれば現代的であるはず…)。中国は広すぎて、人口の多いところから少しずつ発展していく以上、発展の進み具合はバラバラなのでしょう。
駅前のタクシーのりばの前には、タクシーの運転手が待ち構えていました。私が行き先と告げると「ちょっと遠くに停めているからついてきて」と言われました。駅前ロータリーを通り過ぎて、その先の信号を渡っているうちに、やっと「これは白タクだ」と気づきました。
「やっぱり乗らない」と言ったのですが、白タクの運転手はとにかく「こっちこっち! 早く来て!」と言うばかりで、こちらの言う事は何も聞いてくれず、焦りました。私が「駅に忘れ物をした」と苦し紛れの嘘でごまかそうとすると、「忘れ物が見つかったら俺に連絡をくれ」と言って電話番号を教えてきました。白タクがこんなにしつこいものとは知らず、良い教訓になりました…
なんとか正規のタクシーに乗ることができ、地図アプリで国家級名勝区のアイコンがあった山の登山口まで行きました。中国はタクシーが安く、高速で10kmくらい乗ったにもかかわらず、1000円くらいで済みました。日本で普段10kmもタクシーに乗ることはないので、「こんなにタクシーに乗って大丈夫か?」とヒヤヒヤしました。
正規のタクシーの運転手の人はとても愛想の良い人で、私が会話の3割くらいしか聞き取れずに「分かりません(听不懂)」を連発しているのに、「どこから来たの? あんたけっこう中国語喋れてるよ! 山降りた後は別の観光地も行ってみて! 」と、楽しく話してくれました。
タクシーを降りてから2, 3時間、ヒイヒイ言いながら山道を歩きました。地図には「名勝」とあったので、高尾山くらいの、誰でも登れるようななだらかな山を想像していたのですが、予想に反して山道はかなり険しかったです。
歩くと盆地のようなところにつきました。道を振り返るとこのように、断崖絶壁に見えます。
高校時代、世界史の資料集で中国の水墨画の写真を見たときは、いつも「こんな尖った山なんてあるわけないじゃん、大げさだなあ」と思っていたのですが、本当に水墨画の山にそっくりなので驚きでした。中国大陸は日本のように火山活動や地震活動が活発ではないので、山のつくりも違うのでしょうね。
外国人はほとんどおらず、中国人の観光客とも20人くらいしかすれ違わなかったので、けっこう空いている山です。にもかかわらず、あちらこちらに防犯カメラがあったのが驚きでした。山の中まできっちり監視されます。
列車予約の面倒くささ、白タクの多さ、中国人のフランクさ、中国の山の険しさ、監視カメラの多さなど、小さな驚きがたくさんあったのが面白かったです。人が海外旅行に惹かれる理由の一つは、外を歩くだけですぐに様々な発見ができて面白いことなのだろうと思います。
いまは社会人になったので、余暇が少なくなってしまいましたが、またいつか海外に行けたら良いなーと思っています。
それでは!