折るということ

どうしようもなくなってしまうこころを
落ち着かせようと、手を動かす。

折って、折って。
また、折って。

はじめのうちは
何故なのだろう、と
あったことや話したことをぐるぐると考えているのだけれど
縦、横、斜め、と
折っていくうちに
いつの間にか折ることだけに集中している自分に気がついてくる。

その後は、少し疲れて
今みたいに、座椅子にもたれ
ぼんやりとしている。

折ることは結構疲れる。
疲れるんだけど嫌いではなく
むしろ好きなんだなと思う。
本当はものすごく、不器用なんだけどね。

同じものを幾つか重ねることでできるものや
それ自身で成り立つもの。
そんなものを、こころが下を向いている時ほど、黙々と折っている。

今作っているのは、七夕で笹に飾ろうと思っているもの。
寄り添う織り姫と彦星。
それから、虹色の星。

折り筋をつけて開き
また別の折り筋をつける。
そうして繰り返してできたものに
ふしぎと同じものはない。
ようにわたしは思う。

何故か

問いながら、自身を責めながらの折り紙に答えはなく
その代わりに、折ったものが机の上に広がる。
多分そんなことの積み重ねが
答えになってゆくのだろうと思う。

わからないんだけどね。

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