大井 南緖 Ohi Nao

映画・ファッションが好きなイラストレーター。 WEB: ohinao.com

大井 南緖 Ohi Nao

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最近の記事

CINEMAレポ vol.18 「インサイドヘッド2」(2024年)

 ピクサーアニメーションの人気作「インサイドヘッド」の続編。少女ライリーを幼い頃から見守ってきた頭の中の感情たち。高校入学を控えたライリーの中に「シンパイ」率いる大人になるための感情がやってくる─。  感情はもっと複雑なものだと思っているので、前作の内容にあまりピンときてなかったんですが、感情が増えたことで前作で感じたほどの違和感がなくなっていたのが良かったです。  そして新キャラたちが魅力的!感情(キャラクター)が増えても画としてカオスにならないキャラクターたちのデザイン

    • CINEMAレポ vol.17 「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」(2023年)

       6月の暑い日に見たクリスマスのお話。これがとっても面白かった…!   舞台は全寮制のバートン校。クリスマス休暇に家に帰れない子どもたちの子守り役を命じられた嫌われ者の教師ポール・ハナムと家族関係が複雑で反抗的な生徒アンガス・タリー、寮の料理長で息子をベトナム戦争で亡くしたメアリー・ラム。  年齢も生い立ちも境遇も全くちがう、3人の「ホールドオーバーズ(残留者)」のクリスマス休暇での交流が描かれた物語です。   映画が始まると、オープニングクレジットで出てきたレトロなユニ

      • CINEMAレポvol.16 「ブルー きみは大丈夫」(2024年)

         ライアン・レイノルズとジョン・クラシンスキー監督がタッグを組んで制作したファンタジー映画。子どもにしか見えない不思議な存在、イマジナリー・フレンド、通称IF(イフ)たちと孤独な少女・ビーの交流が描かれています。  邦題は「ブルー きみは大丈夫」ですが、タイトルになるほどブルーがメインというわけではなく、原題の「IF」のとおり、IFたち全体のお話でした。  ブルーはあくまでもきっかけで主軸はビーという女の子の話だというのを念頭に置いて見ると良さそうです!(予告見るならオリジ

        • CINEMAレポ vol.15 「違国日記」(2024年)

           ヤマシタトモコの同名漫画の映画化作品。事故で亡くなった姉の娘を勢いで引き取ることになった、人見知りの小説家・槙生(まきお)と人懐っこい姪・朝(あさ)。対照的なふたりの共同生活を通したヒューマンドラマが描かれています。  共同生活を通して変化していく主人公ふたりの関係性が愛おしい!特別大きな盛り上がりこそないけれど、「いってきます」「いってらっしゃい」のやりとりだけで心が動かされるような作品でした。  言葉選びがそうさせるのか、槙生がずっとかっこよかったな〜。自分の発する

          CINEMAレポ vol.14 「恋するプリテンダー」(2023年)

           最近めっきり見なくなった超王道のラブコメ映画!最高の初デートをした二人がすれ違い、燃え上がった恋が一瞬にして凍りつく。最悪にもすぐに再会してしまい、ある理由で恋人のふりをすることに…!  ドタバタな恋模様、お下品なシーン、大袈裟な展開、とあるあるのラブコメで気軽に見られる作品です。(ただ、なかなかに下品。笑)  アメリカではスマッシュヒットと聞いていたけれど、個人的にはそこまでではないかな〜という感想です。自分が大人になって憧れがなくなっているのもあるかもしれないけど、今

          CINEMAレポ vol.14 「恋するプリテンダー」(2023年)

          CINEMAレポ vol.13 「プリシラ」(2023年)

           世界的ロックスターエルヴィス・プレスリーの元妻、プリシラ・プレスリーがエルヴィスと出会い別れるまでの物語。  プリシラ・プレスリーの自伝「私のエルヴィス」が原作で、プリシラの夢のような初恋とその裏の苦悩が描かれています。  映画がはじまってすぐにエルヴィスとの恋がはじまるんですが、初恋にうっとりと身を委ねるプリシラ(ケイリー・スピーニー)がとにかく可愛い〜!  好意を持っていたスーパースターとの恋、しかもまだまだ夢見る14歳。そりゃ舞い上がっちゃうよねー!画面から伝わる彼

          CINEMAレポ vol.13 「プリシラ」(2023年)

          CINEMAレポ vol.12 「落下の解剖学」(2023年)

           今年のアカデミー賞で脚本賞を受賞した今作。アカデミー賞授賞式で流れた予告と、主演のザンドラ・ヒュラーが画面に抜かれるたびに横に映るスワン・アルローの魅力につられて(笑)授賞式翌日に鑑賞しに行きました。  予告編の方がドラマチックに作られているので、ドラマチックさを求めていくとストーリーの運びがかなりあっさりして感じられるかも!淡々とした雰囲気、生々しい描写はまるでドキュメンタリーのよう。  2時間半の長尺だったけど、淡々とした法廷劇の中にヒューマンドラマとしてのハラハラ、

          CINEMAレポ vol.12 「落下の解剖学」(2023年)

          CINEMレポ vol.11「哀れなるものたち」(2023年)

           天才外科医によって、胎児の脳を移植され蘇った若き女性ベラ。彼女は未知なる世界を知るため、大陸横断の冒険の旅に出る──。  前情報を見て、これはわたしが得意じゃない怖そうなやつかな?と思っていたら、ジャンルにはSFロマンティック・コメディと書いてあってびっくり!それでいてR18指定の作品。しかも海外でも賞を受賞したりと話題になっていたので、一体どんな仕上がりの映画なの?と劇場へ足を運ぶことに。  映画がはじまると、想像の範ちゅうを超えたストーリーに夢中でした!見た目は大人

          CINEMレポ vol.11「哀れなるものたち」(2023年)

          CINEMAレポ vol.10「ゴールデンカムイ」(2024年)

           何か作業をするときに気に入っている映画やアニメを流す習慣があるのですが、「ゴールデンカムイ」は何度も見た作品のひとつ。  サバイバルにバトル、アイヌ文化、歴史に狩猟グルメまで、いろんな要素が詰まっていて本当に面白い!  そんな作品の実写化、どんなものになるの?果たして可能なの⁉︎と公開を楽しみに待っていました。  いざ鑑賞してみたら、すごくよかった…!役者さんの演技、リアルな視覚効果、物語の構成…作品に関わった人たちの気概を感じる作品。  改変されているシーンもあるのに「

          CINEMAレポ vol.10「ゴールデンカムイ」(2024年)

          CINEMAレポ vol.9「アクアマン/失われた王国」(2023年)

           モモアファンの母に誘われて、「アクアマン」シリーズ第2作目を鑑賞してきました。  今回は屈強な兄弟2人のバディものになっていて豪快さがパワーアップ!豪快でお茶目な兄・アーサーと冷静沈着な弟・オーム。ソリが合わないはずなのに、お互いにないものを持っているからこそ?パズルのようにぴったりハマっちゃうアクションが見ていて気持ち良かったです。  アクアマン自身は、王として、父として、兄として、(息子として、夫としても…)大奮闘。王として慣れない国務に悩み、父として育児に励み、兄

          CINEMAレポ vol.9「アクアマン/失われた王国」(2023年)

          CINEMAレポ vol.8 「BAD LANDS バッド・ランズ」(2023年)

           2021年公開の「燃えよ剣」で山田涼介くんが演じた沖田総司がすごく魅力だったので、彼がまた原田眞人監督の作品に出ると知って楽しみにしていた今作。  ついこないだ映画館に見に行ったつもりでいたら、もう配信されていました。公開したのは去年の秋のことなんですね。時が経つのが早い…!  いろんなキャラクターの多面性がすごく面白い作品だったんですが、殺伐とした世界観の中、ネリとジョー姉弟のやりとりはどこか可愛さがあって。  軽口を叩いてみたり、ふざけてみたり…それがすごく姉弟らし

          CINEMAレポ vol.8 「BAD LANDS バッド・ランズ」(2023年)

          CINEMAレポ vol.7 「ウィッシュ」(2023年)

          ディズニー好きとして、見逃せない! ディズニー100周年記念映画「ウィッシュ」を観てきました。 ディズニーの作品は字幕と吹替を必ず観に行くようにしているので、今回も1回ずつ鑑賞。 日本人なので、日本語で言葉にされるからこそ刺さる!みたいなシーンや素晴らしさはもちろんあったんですが、今回のオリジナルキャストはさらに強かった…! キャラクターが本当にいるかのよう。ミュージカルシーンでの感情がしっかりと見えてくるような歌声が素晴らしかったです。 個人的にいちばん印象に残ってる

          CINEMAレポ vol.7 「ウィッシュ」(2023年)

          CINEMAレポ vol.6「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」(2023年)

          ティモシー・シャラメがウィリー・ウォンカ?! 絶対見なきゃ!と予告が出た時にワクワクした今作。 はじめに"ウォンカ"と聞いたときは、ジョニー・デップの「チャーリーとチョコレート工場」を想像したけど、これは1971年のジーン・ワイルダーがウォンカを演じた「夢のチョコレート工場」の姉妹作。 「Pure Imagination」の楽曲は知っていたけど、ちゃんと鑑賞したことがなかったジーン・ワイルダー版。先に観てなくても、十二分に楽しめたので、ワイルダー版の予習はどっちでも大丈夫

          CINEMAレポ vol.6「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」(2023年)

          CINEMAレポ vol.5 「シンデレラ」(1950年)

          ディズニー創立100周年を記念した特別イベント、ディズニー100フィルム・フェスティバルで10月に再上映された「シンデレラ」を映画館で観てきました。 大きなスクリーンで観る「シンデレラ」は、臨場感が素晴らしかった…! シンデレラがお城に着くシーンで映る、小さなシンデレラとどこまでも続く階段、高い高い天井。 大きなスクリーンに映る階段を見上げると、お城の荘厳さを肌で感じられるような臨場感。 シンデレラのドキドキを疑似体験できたような感覚がありました。 シンデレラがねずみ取

          CINEMAレポ vol.5 「シンデレラ」(1950年)

          CINEMAレポ vol.4「北極百貨店のコンシェルジュさん」(2023年)

          原作の漫画がとても好きで映画が決まった時から公開を楽しみにしていた今作。 映画もやっぱりすごく良かった…! 大人と子どもも楽しめる、とにかくやさしい物語が本当にたまらなく好きです。 漫画をはじめて読んだとき、意義深いテーマが提起されてる中でやさしい気持ちいーーーっぱいに包まれて、「とにかくきっとこの気持ちを忘れちゃダメなんだな?!」と感情で理解していった体験を思い出しました。 作画では、予告でのアニメーションらしい色彩の印象が強かったので、原作の雰囲気はそこまで落とし込

          CINEMAレポ vol.4「北極百貨店のコンシェルジュさん」(2023年)

          CINEMAレポ vol.3「バービー」(2023年)

          世界中で愛され続けるファッションドール「バービー」が題材となった映画、「バービー」を鑑賞。 今回、日本での公開前に行われていた各国のプレミアでのマーゴット・ロビーのスタイルがすごく素敵で。 バービーファッションを再現したスタイルの数々がバービーそのものだったので、公開前からビジュアル面に期待大だった今作。 いざはじまると、目がチカチカするほどのカラフルでキュートなセット、パーフェクトなファッションの数々が次々に登場…! まさに期待通りの楽しいビジュアルに大感激、大満足でし

          CINEMAレポ vol.3「バービー」(2023年)