破顔一笑
タイプでもない
よくわからない
わたしが関わることはあり得ない
全く知らないその人は
私の数メートル先のタクシー乗り場で
私と、自身の連れのやり取りを
ニッコリ見守っていた。
今でも瞬時に思い出すことが出来る
突然声をかけられた、所謂ナンパ。
人見知りで、ナンパとか合コンとか最も嫌う私が、
いきなり声をかけてきた男女を前に
(何この人たち‥ヤバい奴らだ‥)
って思いながら
(破顔一笑だな、あの人。)
しきりにわたしに話しかける知らない男と
怪しむわたしを和ませるようにフォローする女に耳を傾けながら、先で見守る破顔一笑してる彼を見てた私は、もしかしたら、あの時から彼に惹かれていたのかも知れない‥
そうでも言い聞かせないと
あの日あの時の私の行動と思考は
理解することが出来ないのだから‥
眼鏡をかけた
少し背の低い、人が良さそうな
全く知らないその男の人は
無邪気に笑いかけていた。
(あの日、あの時
出会わなければよかった)
なんて思わない。
生きてる意味を模索して息苦しかった私をを救ってくれ束の間の夢を見せてくれた事実は無くならないのだから‥