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おおい町を代表する祭り「スーパー大火勢」。コロナ禍での中止を経て、見つめなおした地元の大切さ。

こんにちは、地域おこし協力隊の張本です。

おおい暮らしのインタビュー記事第四弾となる今回は、2023年9月9日に開催される「スーパー大火勢」の実行委員長を務める成瀬康貴さんのもとへ取材に伺いました。

コロナ禍での二年間の中止を経て開催された昨年のスーパー大火勢について、そして成瀬さんが運営に関わりつづける理由について尋ねていきます。

成瀬康貴(ナルセ・ヤスタカ)
1978年生まれ、おおい町出身。第29回スーパー大火勢実行委員長。高校一年生の時に第2回スーパー大火勢の若衆としてイベントに携わる。高校卒業後は大学、社会人と京都でおよそ10年間を過ごし、おおい町にUターンしたことをきっかけに実行委員会に参加。以来、実行委員会では主に総務グループにて11年間活動をつづけ、昨年、委員長に就任。

――はじめまして。今日はスーパー大火勢のこと、色々と教えてください。

もちろんです。なんでも聞いてください。

――まず最初に、成瀬さんとスーパー大火勢の関わりについて伺いたいです。

スーパー大火勢は地元のお祭りなので、イベントの主な運営を地元のメンバーが集まる「スーパー大火勢実行委員会」が行なっています。その委員会のメンバーとして僕は2012年から関わりはじめて、昨年から実行委員長を務めています。もっと遡ると、高校一年生のときに第2回スーパー大火勢に若衆として参加したこともありました。

――実行委員会に入って11年も経つんですね。なぜ、運営をつづけられているのですか?

スーパー大火勢の活動を通じて、メンバー同士の距離がどんどん縮まっていく過程が好きなんだと思います。初めはやっぱり、みんな壁があるんです。でも、会議を繰り返して、一緒に作業をして汗をかいて、準備、当日の運営、片付けを行うなかで距離がどんどんと近づいていく。その過程をみんなと共有できるのが、スーパー大火勢に関わり続けている一番の理由かもしれません。

そして、近くに住んでいたのに知らなかった人と知り合えるのも、町なかで「久しぶり!」「この間はありがとうございました」といった会話が増えるのも心地よくて、生活が豊かになっている実感があります。「まちのため」という気持ちもありますが、自分自身が運営に携わる楽しさを感じてられているから続けているのだと思います。

コロナ禍を経て、地元の大切さを再認識

――昨年、3年ぶりに開催したスーパー大火勢で感じたことをお聞きしたいです。

ほんとうに開催してよかったという感想に尽きます。そもそも、新型コロナウイルスの影響で二年連続中止となった2021年に、実行委員会の会議では「スーパー大火勢はもう皆さんに必要とされていないのでは?」という意見も出始めていました。

おおい町だけでなく、全国的にもお祭りなどの大型イベントは世間的に求められておらず、それでも社会はまわっていたので。そんな状況において、人数を制限したり、非接触で受付する方法を導入したりして、なんとか開催まで漕ぎつけたのが昨年の第28回スーパー大火勢でした。

ーー新型コロナウイルスが流行したことで変化した部分はありましたか?

昨年は人数制限をしたうえで、自分たっての希望で、初めておおい町内向けにチケットの手売りをしましたが、チケットの販売日はもちろん、イベント当日も地元の人たちの顔が一人ひとり見えたことが大変印象に残っていて、イベント終了後は「ありがとう」「よかったよ」という声や「やっぱり、大火勢がないとだめやわ」と言ってくれる方までいたのはすごく感動したし、嬉しかったですね。

地元の人たちも、やっぱりコロナ禍で色々と溜まっていたのだと思います。うまく表現できないのですが、例年と違って雰囲気的になんかこう、みんなが「わぁ」っと盛り上がった。その場を見ていて、気の置けない人たちと時間を過ごしたり、色々なものが発散できたりするスーパー大火勢という祭りはやっぱりおおい町に必要だと感じましたね。

――例年は地元の人よりも、町外の人の方が多かったのですか?

大火勢は数万もの人が訪れる大型イベントなので、町外からくる人たちのほうが断然多いんです。だから、おおい町を知り、訪れてもらうといった観光面での効果は一過性ではあれ大きいのだと思います。ただ、その一方で、車が渋滞してしまったり、町道や町民の敷地の不法駐車が増えたり、ゴミが落ちていたり……。そうした問題が生じてしまっていたのも正直なところです。

しかし、昨年は状況が異なりました。もともとは深夜0時を過ぎても駐車場から車が出られないほどの渋滞があったのですが、昨年は22時には撤収作業を始められていました。また、不法駐車やゴミの問題も少なく、町内の人からの評判がとても良かったんです。来場者数を追うことも大事ですが、おおい町に住んでいる人たちに喜んでもらえることの大切さを改めて認識できましたね。

ーー今年のスーパー大火勢もそのような方向性で準備を?

そうですね。まずは地元の人たちが喜んで頂ける日にしたいですね。さらに、今年は地元の中学生にもイベントに参画してもらえるような取り組みも始めました。例えば、今年のポスターは大飯中学校、名田庄中学校の全生徒による投票によって決められました。これは初の試みです。

また、大飯中学校では「ふるさと学習」としてスーパー大火勢の歴史や運営の裏側などをお話しする場を設けていただいたり。スーパー大火勢を通じて、まちの結束が生まれていくようなそんな祭りにしていけたらと思っています。

――スーパー大火勢の日がとても楽しみになりました。今日はありがとうございました。

ありがとうございました。ぜひ、観にきてくださいね。

編集後記

成瀬さんは終始物腰やわらかで、インタビュー終わりには僕の話にも興味を持ってくださり、噂に聞いていた通り本当に優しい方でした。そんな成瀬さんだからこそ、町内外の人に喜んでもらうことと同じくらい、誰かの不満を事前に防ぐ取り組みも大事にされているのだと感じました。初めてのスーパー大火勢とても楽しみにしています。

執筆・編集:張本 舜奎


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