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ミュージカル「ベートーベン先生の曖昧日記」vol.5 二幕後半、あの初老の男
ミュージカル「ベートーベン先生の曖昧日記」の配信、ご鑑賞くださいました方、誠にありがとうございました。
ご感想などいただければ、幸いでございます。
さて、配信も終わりましたので、最後までのネタバレを。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68896752/picture_pc_478b3b6e2bd84cd27730f083717a6e1e.jpg?width=1200)
「第九の初演など、ウィーンでやりたくない」
1822年、アントン・シンドラーはルートヴィヒの秘書としてウィーンに降り立ちます。道に迷っていると、偶然に甥っ子のカールと出会います。カールは家を教えてあげますが、どこか遠い目をして、シンドラーは少し気がかりです。
ルートヴィヒの部屋は相変わらず汚く、シンドラーは全聾の我儘に振り回されます。ルートヴィヒは、第九の初演をウィーンではやりたくないと頑なに拒みますが、シンドラーはウィーンでやるように諭します。
「確かな想い ただ このまま」
第九のウィーン初演、劇場は大混乱でした。ルートヴィヒは癇癪を起こして、シンドラーとカールを振り回します。やっとこさステージに向かったルートヴィヒ。楽屋で片付けをするシンドラーのもとにジュリエッタが、客席のカールのもとにテレーゼが現れ、ルートヴィヒとのことを語ります。
「その耳に頼らないで、心で感じて」
第九の初演が始まると、ルートヴィヒの中には走馬灯のように家族の姿が現れてきます。ルートヴィヒを身籠ったマリア、恫喝するヨハン、泣きじゃくる幼いルートヴィヒ。そんなルートヴィヒに、マリアは子守唄を歌います。
「本当の愛は その声」
そして、ルートヴィヒは、最後の作曲を始めます。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68896800/picture_pc_53564cd4ecf3cbfd084d6810284b4066.jpg?width=1200)
今回は、大変「曖昧」に終わらせてしまいました。
ただ一つ、ルートヴィヒの心には、常に母親の「子守唄」が作曲の源となっていて、人の声が彼の音楽の礎だったこと。全聾のその中には、いつでも人間の声が聞こえていた、ということでした。
また、何かの形で、この作品が皆様のもとへ届けられますように。
今年も一年、大変お世話になりました。
また来年も、どうぞよろしくお願いいたします。
伊佐旺起