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仮想の往復書簡 第8便

紅茶でもコーヒーでもどちらでもいい   


こんにちは。
何か季節感のある挨拶をしなければ、
と思うのですが、暑いですね、としか思いつきません。

さらに、なぜか、温かい飲み物のことを書こうとしています。

私はよく、チェーンのコーヒーショップに行きます。真夏でも、冷房の効いた店内では温かいものを飲みたいので、カプチーノやホットコーヒーをよく頼みます。

特段、味覚や嗅覚が冴えているわけでもないのですが、何度も同じお店に行って、同じものを頼んでいると、あれ、今日は何となく味が違うかも、という事があります。
特にカプチーノは、作る人によって味が変わりやすい気がしています。

カプチーノの作り方に詳しいわけではないですが、店員さんの手元を見ていると、エスプレッソマシーンに付いている、あの先端から蒸気が出る棒状のものに、冷えた牛乳の入った容器を差し入れて一気にスチームで温めながら泡立てているようです。
たぶん、ちょっとしたコツが必要なのか、
店員さんによって泡立ちの状態が変わるようなのです。

ミルクの泡立ちがきめ細かい方がエスプレッソの味がくっきりする気がします。
泡が粗いとラテアートのハート型もぼやけているし味も温度もぼやける気がします。

ぼやけていてもまあいいかと思って飲むし、
きめ細かい泡でキリッとエスプレッソが引き締まっている日は美味しいなあと思って飲みます。
そんな日もあるよね、と。

人の手で作るものはブレやムラがありますし、同じ人が作ったものでさえ、毎回同じにはならないだろうなあ、と思います。


それから、これもときどき遭遇する事象なのですが、
コーヒーを頼んだはずなのに紅茶が運ばれてくる、というものです。

でもこれは、店員さんが悪いわけではないのです。そういう時は決まって、私はオーダーする直前までコーヒーにしようか紅茶にしようか迷っています。

スコーンとセットにするなら紅茶だよなあ、
でも今はビターなコーヒーを飲みたい気分でもあるなあ…

と迷っているうちに、店員さんが来てしまい、「スコーンとコーヒーで」と私は発言するのですが、脳裏には華奢なティーカップに入った紅茶とスコーンの映像が浮かんでいたりするのです。


しばらくして、「お待たせしました。スコーンとアッサムティーです」と、店員さんは紅茶を持ってきます。

あれ、コーヒーと言ったはずなのだけど、
紅茶の念が強すぎたのか、紅茶でオーダーが通ってしまった。
でもそれでも全然構わないのです。迷って決められていなかったのですから。


予期せぬ行き違いや、人と人の間に生じるズレや、ブレで、あんがい日常は彩られているのかもしれません。

それではまた。

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