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ドラマ感想文│『ターミナルリスト』

チマチマ観ようかと思っていた「ターミナルリスト」を週末に一気見した。

一気見するくらいには面白かったと言えるのだが、海外ドラマによく見られる展開の「敵の規模が段々大きくなる問題」が本作でも猛威を振るっており、「あれ?GOTG観てたんだっけ?」となる第3話からの第4話で復讐を果たし終わった時点で見ている側は割と目的を見失ってしまう。第5話は全然集中できなくなってしまった。

序盤で最もスリリング且つ魅力的な要素であった「リースの記憶は果たして本物なのか!」という部分は、ペンタゴンが黒幕と明かされるあたりで殆ど空気になっていたような気がする。

第6話でFBIの追走から逃れる場面ではリースの凄腕感よりも追う側のマヌケ感が際立ってしまってモヤモヤが色濃くなってくる。いくら何でも掘り起こして蘇生までして逃げ切るってのはファンタジーでも苦しくないだろうか。

その分…と言ってはナンだが、第7話と8話は怒涛の勢いで話が進み、派手なドンパチが続く。概ねリースの殺戮ショーとなっており、あまり難しいことは考えずに楽しもうぜ的なパーティと思えば悪くない。

ただし、ラストのラスト。最後の黒幕だけはどうしても納得いかなかった。第2話視聴後に書いた通り、最初に怪しいと思ったキャラクターではあるものの、第3話からは不自然なほどに破竹の勢いで白貯金を増やし続け、最終話ではかなり分の悪い賭けに乗ってリースを助けていたのにも関わらず、実は黒幕でしたというのは如何なものか。

それありきのお話という雰囲気で、キャラクターにリアリティを感じられない。この点は非常にマズかった。

素直に国防長官が黒幕で良かったのではないだろうか。あれだけの時間とカネと労力を使い、自殺を選択してしまう程に人生を左右する選択だったのに、報酬を受け取っていないというのも不自然に思える。

と、色々ケチは付けたものの、最後まで楽しく観たのは事実である。決してつまらないわけではないし8話で完結するオリジナルドラマというだけでも価値があるのではないだろうか。

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