見出し画像

新しい靴と新しいラーメン

ブラックフライデーセールで買った靴が昨日届いた。

箱がカッコイイ

以前からチェックしていた「Cole Haan」のハーフブーツである。黒く重厚なフォルムはその見た目に反して非常に軽く、履き心地はスニーカーだ。

スニーカーくらい軽い

本日は週に一度の出社日なので、履き心地を試すのにうってつけというわけだ。

どんな物でも新品は心が弾む。それが例え鞄だろうが下着だろうが、もっと言えば新しい歯ブラシの磨き心地にさえ小さな幸福を感じる。だから常にその存在を認識できる靴ともなれば、それはもう小さな幸せでは済まない。

文字通り軽やかな足取りで子供たちを登園させ、そのまま会社へと向かった。向かう先が会社であろうと、今の私は無敵なのだ。

空は快青。冬の済んだような空気がもう目の前に迫っているようだ。

ウォーターレジスト機能は試せないが…

そんなわけだから、昼食時には少し長めに秋葉原までラーメンを求めて歩いた。何しろ我が心の名店が閉店したという衝撃の事実が発覚して以来、ラーメン欲を満たせずにいるのだ。

秋葉原界隈には私の気に入っている店が幾つか存在する。中でも「青島食堂」は随一であり、近所に住んでいた時には週一以上のペースで通っていた(当時は並ばずに食べられることもあった)し、出張で新潟まで行った際には延泊して本場長岡にも食べに行った。

駅にまで漂ってくる青島の芳香

しかし今日の気分は青島ではない。あのガツンとした醤油と存在感ある生姜の気分ではないのだ。同じく浅草橋方面の「くろ喜」の塩ラーメンも頭をよぎるが、そこまで歩くのはちょっと気が重い。

どうしたものかと駅前を徘徊していると、ヨドバシアキバの一階にある「神座」が目に入った。

名前だけは聞いたことがあるものの、入ったことはないしどんな味かも知らない。ただ店頭の写真を見る限りは比較的あっさり目の雰囲気ではないか。折角新しい靴を装備してきたわけだし、ここはひとつ新しい味を試してみようという気になった。

店頭の券売機で食券を買い求め、足早に入店する。昼食にしては遅い時間帯であったためか、すんなりと中には入れた。店内では案内役の若い女性スタッフが待ち構えており、案内に従って消毒後に食券を手渡すという一連の儀式を済ませた。細かいことを言えば食券を買う前に消毒すべきなのではないか…とどうでも良いことを考えながら、言われた通りに着席した。着席率は40%といったところだ。

お冷が供され、暫し待ちの時間が始まる。この時間にメニューを眺めて、アレにすれば良かったとかコレは結構オトクだなとかの軽い後悔や安堵と一緒に水を飲み込むのが好きなのだが、それらしきものは存在しない。卓上にある読み物と言えば、当店の軌跡といった感じの近頃よく目にするアレくらいだった。

メニューのが良かったなぁと思いながら何となくボンヤリ窓の外を眺めていると、思ったより早く注文した「餃子セット」が運ばれてきた。

餃子セット 1,090円

ここのラーメンは「おいしいラーメン」という商品名のようで、提供の際にも丁寧にその名を告げられる。どんな店も美味しいと思って出しているだろうから、わざわざ「おいしい」と付ける意味は何だろうか…なんてことをイチイチ考えてしまうのがオジサンの良くないところだ。

まず非常に大きなラーメンの器が目を引く。しかし底は浅いので量自体は大したことない。スープに浮かぶ3枚の叉焼はほんのりピンク色で、流行りのタイプな感じだ。それ以外の具は白菜一本で勝負ということになっている。ラーメンに白菜というのは意外な感じだが、食べ進めてみるとコレがそうでもなかった。

ふた口ほど食べ進めたところで、「あ、コレ広東麺だ」と気付いた。スープに浮かぶ白菜が強烈に広東麺を意識させる。私は広東麺が大好きなので、この感じは悪くない。悪くは無いが、やはりトロミが欲しくなってしまうし具も少なく感じてしまう。どう考えても私が広東麺を意識し過ぎである。

ただし具が足りない問題は、卓上に設置されたニラがある程度解決してくれる。

嬉しいニラ食べ放題

早速これをラーメンに投入してみたが、そうすると元々濃い目の味付けが更に濃くなる上に、毛色の違う風味が追加されてしまったことで味のピントがズレてしまった。名案かに思えたが失策である。

結局このニラは餃子や白米に載せて食べるのが正解のようで、ラーメンは下手に弄らない方が良さそうだった。

多分これが正解

そういうわけで初めての味は複雑な心境をもたらしてくれたものの、美味しく平らげることができた。求めていた味とは違ったが、もう一度くらい行ってみようかなと思えた。

ただ叉焼はミッシリとした完熟系のヤツが良いなぁ。

因みに新しい靴は不慣れだというのに全く疲れなかった。素晴らしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?