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ドラマ感想文│『ターミナル・リスト』2話まで
Amazonオリジナルドラマの『ターミナル・リスト』を視聴開始した。
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主演は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でスターロード役のクリス・プラット。監督は直前に鑑賞した「トレーニング デイ」のアントワン・フークアである。そしてAmazonオリジナルとなれば、ある程度の面白さは保証されているだろうと踏んだわけだ。
実際その読みは当たっており、何だかキナ臭い作戦に身を投じたジェームズ(クリス・プラット)は待ち伏せに遇い、何とか帰国は果たせたものの、それは脳震盪の後遺症と12基の棺を伴ってのものであった。更に唯一生き残った戦友ブーザーは自室で不審な拳銃自殺を遂げる。
NCISと軍からの取り調べを受けるジェームズだったが、自分の記憶と食い違う証拠の数々。あの作戦は最初から罠だったのか。それとも脳震盪のせいで自分の記憶が間違っているのか…。戦地を後にして尚深まる疑念と過酷な試練が待ち受けていたのだった。
みたいな話で、上司は本当のワルなのか、それとも必要悪と割り切って正義を行う人間なのかを追うことになる「トレーニング デイ」とダブる部分が多いストーリーとなっている。監督の作家性が発揮されていて今後が楽しみだ。
と思う一方で、この監督ならば脳震盪のせいで全部妄想でしたというオチにはしないだろうし、そうであれば陰謀が存在することになり、となれば真っ先に怪しく見えるのはベンである。まず真っ先に迎えに来た時点でかなり怪しく見せていると思うし、彼ならば協力する振りをして解析したデータのうち不都合な部分のみ伏せることも可能だ。
しかしそもそもMRIを受ける際に拳銃を持ち込むこと自体が不可能な筈なので、病院での事件がジェームズによるものだと思っている人間全てが怪しくなり、そうなってしまうとこの話自体が成り立たないような気もする。
また戦場でのショックによるものか脳震盪によるものかは現段階で不明なものの、ジェームズが正常な状態であるとは言い難い。それが理由ということで、こういった違和感が後々片付けられてしまったらかなり残念な気持ちになるだろう。
更にドラマの展開的には衝撃的だったが、ジェームズの家族はジェームズを始末してから殺すべきではないだろうか。復讐という大きな動機を与えてしまう上に、最後の切り札として家族を人質に取るという手段が使えないのは苦しい展開ではないだろうか。
尤もこれらは、ジェームズが陰謀に巻き込まれていることが前提の話ではあるが、そうでなければ更に残念な結果となってしまうだろう…。
というわけで期待と不安が入り交じる本作ではあるが、可能な限り楽しんで視聴してゆきたい。
そして同時に「ペルフェラル(接続された未来とかいうサブタイトルには悪意しか感じられない…)」のシーズン2も大いに期待している。こちらはヴィンチェンゾ・ナタリ監督ということで、どう転んでも大きな意外性と後味の悪さをもたらしてくれることだろう。シーズン1は一気見してしまったので細かな感想を書くには再度観直す必要があるので多分やらないが、シーズン2公開時にはどうせおさらいをするハメになるのだろう。
そんなところも、ドラマの楽しみ方のうちなのかも知れない。