我が子と約束の地へ
昨日の反動からか、2度寝3度寝と繰り返し惰眠を貪る日曜の午前中。そんな私の怠惰を咎めたのは上の子であった。
「おきないと おにが くるよ!」
我が子に脅迫され、私は身体を起こした。時刻は正午をまわっており、子供たちの昼食は妻が済ませてくれていた。すぐに子供たちを昼寝させ、我々は暫しの休息を満喫する。と言っても私はさっきまで休息していたので、感覚としては4度寝に近い。
我々は寛ぎつつも、子供たちが目を醒ます前に、いそいそと出掛ける準備を進めた。何しろ今日は上の子を連れてドトールへ行かなくてはならない。
いつだったか私の気まぐれで上の子を近所のドトールへ連れて行き、抹茶オレを飲ませた日がどうしても忘れられないようで、事あるごとにドトールへ連れて行けとせがまれるようになった。
しかしなかなかその機会は訪れず、上の子はいい加減痺れを切らしているのであった。勿論約束を違える気などさらさら無い。だが大人がそう思っていても、子供には「いつも約束を守ってくれない」という印象を与えてしまうだろう。
ということで、子供たちの目覚めを待ち構え、一行はドトールへと出発した。
が、諸事情によりヴェローチェへと針路は変更された。
ヴェローチェの抹茶オレは実に緑色で、到着を心待ちにしていた上の子も少し面食らっていた。更にひと口目の反応も悪く、その後も手が伸びない。恐らく苦いのだろう。半分も飲まないうちに妻へ押し付けてしまった。
というのも、ヴェローチェは甘みを自分で調整できるようになっており、ガムシロップ無しで子供が飲める代物では無かったのだ。急ぎガムシロップとミルクを追加したところ、一気飲みせんばかりの勢いで抹茶オレは吸い込まれて行った。
続いて上の子はピーナッツバターサンドを平らげ、そして下の子はバウムクーヘンを貪り、もっと寄越せと騒ぎだす前に我々はヴェローチェを後にした。
その後はダイソーで久々に買い物をし、簡単に夕食を済ませた。上の子は抹茶オレとダイソーでの買い物に満足そうであり、下の子も久々の娑婆を楽しんでいる様子だった。
未だ遠出が憚られる情勢ではあるものの、家族皆で出掛ければ、近所の何でもない場所でも子供たちは楽しんでくれるのだ。ただ本当は動物園や水族館に連れて行ってやりたい。最後に行ったのはいつだろうか…。
おわりに
帰り道、上の子が行きたがっていたドトールの前で「ここにいきたい…」が始まった。
ごめんごめん、今度こそきちんと連れて行ってあげるから。