鳴神どもの矜恃──格闘技イベントRIZINが宿す「誇り」の正体⑭(最終回)
14.米国に何度も入国を繰り返す「交際者」
榊原信行は事あるごとに「ファンのため」「子供たちのため」「未来の格闘技界のため」と強調してきた。だが、RIZINを持続させなければならない本当の理由は他にあるのではないだろうか。
「トラブルシューティング」で今も手腕を発揮する安藤陽彦。榊原の言う通り、本当に報酬は支払われていないのだろうか。RIZINの収益が安藤を介して暴力団を潤しているとすれば、問題はさらに拡大する。先述した「メイウェザー利権」のありようなど、注目すべきだろう。
「選手たちにも考えてもらいたい」
「1990年代から格闘技ビジネスの主要登場人物はほとんど変わっていない。この機会に座組を一新することです。その上で反社と関わりのない健全なイベントに子供たちが参加できるようにしなければいけません。一方で選手たちにも考えてもらいたい。『大会規模が大きいから』『ファイトマネーが高額だから』と、ヒモ付きの大会に出場する。その姿勢はプロとして本当に正しいのでしょうか?」(格闘技団体OB)
2000年代に格闘技界でそれぞれに功績を残しながら、今は全く違う世界に生きている。そんな人々も少数だがいる。彼らと榊原以下の格闘技バブル残党の違いは奈辺にあるのだろう。
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