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Macbee Planetの決算内容を3分で解説!
今回はMacbee Planetの決算内容について見ていきましょう。
マーケティングの支援サービスを展開するこの企業、業績は右肩上がりで上昇中です!
1.PLの状況
まず最初にPLの状況について見ていきましょう。
売上高は前年比+35.8%の195億円となりました。
営業利益は前年比+74.7%の21億円、当期純利益は+106.1%の15億円と大幅な増収増益となりました。
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過去6年間の売上高と営業利益の推移を見てみると、毎年増収増益を繰り返しており着実に成長を続けています。
この6年間で売上高は5.8倍、営業利益は19.6倍の成長を示しています。
ただ2021年4月期から連結決算に移行したのでその3年間で比較すると、売上高は2倍、営業利益は2.7倍とそれでも十分な成長を示しています。
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それではもう少し詳細について見ていきましょう。
セグメントとしては2つ「AC事業」「MT事業」があります。
規模感としてはAC事業が売上高・営業利益共に全体の90%を占めています。
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ではまずAC事業についてです。
ACとは「アナリティクスコンサルティング」の略称です。
データ解析プラットフォームである「ハニカム」を活用することで、複数のメディアにまたがって出稿しているWeb広告の一元管理を行い、LTVマーケティングにおいて連携している多くのメディアから、クライアントのマーケティング目標に合致した適切な出稿先を選定し、クライアントのマーケティング活動の戦略立案や運用支援を行っています。
成果に連動した報酬をクライアントから受け取り、その一部を同じく成果に連動してメディアに支払っているので、この支払分が売上原価になります。
またここ3年間ほどの平均値で見ると、売上総利益率15%・原価率85%となっています。
営業利益率に関しては、だいたい10%前後で推移しています。
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次はMT事業についてです。
MTとは「マーケティングテクノロジー」の略称です。
事業内容としてはWebホスピタリティツールである「Robee」を活用し、データと機械学習に より、消費者のWebサイトへの流入経路、行動パターンを収集し、消費者行動を予測することで、クライアントの Webサイトへの流入数を高めるとともに、成果につながるマーケティングを実施しています。
またクライアント のWebサイトにおける文言や画像、動画等のいわゆるクリエイティブの改善を図り、またチャットボットや既存顧客との関係維持に着目した施策(リテンションマーケティング)も併せて行うことにより、戦略の幅を広げるマーケテ ィングを提供しています。
売上高20億円に満たない程度なので事業規模はまだまだですが、売上総利益率は95%以上、営業利益率は70%程度とかなりの高利益率事業です。
今後規模が拡大していけば相当の利益が見込めることになります。
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今回の決算で売上高はAC事業で前年比+33%、MT事業で+81%と大きな成長を見せました。
AC事業では既存顧客の成長に加えて新規顧客の開拓が順調に進んだ成果と考えられます。
またMT事業では独自データの取得技術活用により分析精度が向上し成果発生が増加したことと、AC事業の顧客へRobeeの導入を促進できたことが大きな要因と考えられます。
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2024年4月期の業績予想に関しても少し触れておきます。
売上高は前年比+79%の350億円、営業利益は+32%の28億円と次年度も大幅な増収増益を見込んでいます。
この大幅な増収の要因は、広告事業を展開している「ネットマーケティング」という会社を完全子会社するためです。
この会社の事業規模は売上高約117億円なので、今回の増収見込みの大部分がこの影響と考えられます。
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2.BSの状況
次はBSの状況について見ていきましょう。
総資産全体としては前年末から+116億円増加しました。
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流動資産では+97億円増加しましたが、そのうち現預金の増加が+75億円と大半を占めています。
この点に関しては後のCFの状況で触れていきます。
それ以外では、売上高が大幅に増加したことに伴い売掛金が+18億円増加しています。
固定資産に関しては+18億円増加していますが、「ネットマーケティング」の完全子会社の際に発生した「のれん」の増加で+21億円あります。
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負債に関しては+62億円増加しましたが、そのうち買掛金で+24億円の増加が見られました。
あと短期・長期借入金で+30億円の増加がありましたが、これは「ネットマーケティング」の完全子会社化に関する必要資金を調達した影響です。
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純資産に関しては+53億円増加しましたが、新株の発行によって資本金と資本剰余金がそれぞれ+19億円ずつ増加しました。
この新株発行の目的も、先ほど触れた「ネットマーケティング」の完全子会社化に対するものです。
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こうして見てみると、今回のBSの動きの主要因は「ネットマーケティング」によるものがほとんどだったことがよく分かります。
3.CFの状況
最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては前年末から+75億円増加しました。
内訳としては営業CFで+14億円、投資CF△7億円、財務CFで+68億円という内容です。
営業CFに関しては、税引前利益で+21億円としっかりと稼げており問題ありません。
投資CFに関しては、先ほどからよく登場している「ネットマーケティング」の株式取得により△32億円の支出がありました。
一方で保有していた投資有価証券を一部売却したことによる収入が+29億円ありました。
財務CFに関しては、新株発行による収入で+38億円、借入金の増加により+30億円の収入がありました。
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今回のCFは投資CFと財務CFで色々と動きが多かったです。
今後もM&Aなど積極的な動きがあると考えられますが、そうなれば今回のように新株発行や有利子負債による資金調達が必要になってきます。
その際は全体のBSのバランスやCFの状況を見ながら、その時々でベストな資金調達方法を検討していく必要があります。
今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?
マサキタカオ