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ツクルバの決算内容を3分で解説!

今回はツクルバの決算内容について見ていきましょう。
上場以来着実に取引件数、会員数などを伸ばしてきて、ついに営業利益ベースで黒字化達成しました!


1.PLの状況

まず最初にPLの状況について見ていきましょう。
売上高は前年比+32%の54億円となりました。
営業利益は前年までの赤字から1.5億円の黒字化達成、当期純利益も2.1億円の黒字化となりました。
ただ前年の決算値は単体の値で、今回から連結決算を組むことになりましたので、前年比較はこの点考慮が必要です。

出所:決算説明資料

過去5年間の売上総利益と営業利益の推移を見てみると、売上総利益は毎年右肩上がりで増加を続けてきました。
営業利益に関しては2022年までは赤字が増加を続けましたが、その年を底として、その後は赤字幅が減少し今回遂に黒字化達成となりました。

出所:決算説明資料

それでは内容についてもう少し詳細を見ていきましょう。
今回の決算では一つ大きな動きがありました。
それは事業譲渡です。
もともと事業は2つ「カウカモ事業」と「不動産企画デザイン事業」がありましたが、不動産企画デザイン事業を2023年11月に事業譲渡しました。
譲渡先は会社共同創業者の中村真広氏です。

出所:決算短信

そのため不動産企画デザイン事業は1Qのみ売上・利益貢献となり、2Q以降はカウカモ事業のみとなりました。

出所:決算説明資料

カウカモ事業の推移を見てみると、ここ5年間で売上総利益は2.6倍まで伸長しました。
事業内容としては、主に中古・リノベーション住宅のオンライン流通プラットフォームcowcamoの運営を通じて中古・リノベーション住宅の仲介を行っています。
外部環境は、新築マンション価 格の高止まりを受けた中古マンション流通の拡大及びリノベーションに対する顧客認知の高まりにより、継続的な拡大基調にあります。
このような環境のもと、事業のさらなる成長に向け、プロダクトおよびサービスの改善、物件案内を行う営 業人員の採用・教育、デジタルマーケティングを中心とした広告活動、業務システムの開発などに取り組んでいます。

出所:決算説明資料

またこの一年間は大きく3つの取り組みに力を入れてきました。
それは「全社生産性の向上」「サービス改善によるGMVの拡大」「構造的なテイクレート向上に向けた物件供給の改善」の3つです。

出所:決算説明資料

全社生産性の向上に関しては、第4四半期は一時的な営業生産性の低下により低下しましたが、年間でみると前年比14%改善を実現しました。

出所:決算説明資料

サービス改善によるGMVの拡大に関しては、接客サービス及び集客の質の改善を通じた顧客成約率向上によって買主サイドにおけるGMV拡大を牽引しました。その結果、前年比+19%と大きく拡大することに成功しました。

出所:決算説明資料

テイクレート向上に関しては、物件獲得における業務体制を強化し、安定的な物件獲得の土壌を形成してきました。
その結果、前年比+0.4%改善し、5%まで上昇しました。
また今後は買主サイド顧客への接続強化やユーザーデータの活用等を通じた、さらなる回転率・販売率向上に注力していく考えです。

出所:決算説明資料

それでは2025年7月期の業績予想に関しても概要を見ておきましょう。
売上高は前年比+46%の80億円、営業利益は+48%の2.3億円と大幅な増収増益の見通しとなりました。

マーケット全体としては、中古・リノベーション住宅需要の緩やかな継続拡大を想定しています。
その状況下でリソース投下を再加速し、既存事業を軸とした規模拡大を推進していく計画で、取引件数は大幅に増加していく見込みとなります。

出所:決算説明資料

2.BSの状況

次はBSの状況について見ていきましょう。
前年は単体、今回は連結と前提の差はありますが、総資産全体としては前年末から+11億円増加しました。

出所:決算説明資料

流動資産は+12億円増加しましたが、そのうち現預金で+1.4億円の増加が見られました。この点に関してはあとのCFの状況で見ていきます。
それ以外では、販売用不動産・仕掛販売用不動産などの棚卸資産で+10億円の増加が見られました。

一方固定資産は△0.8億円減少しました。
元々大きな固定資産を保有しておりませんでしたが、不動産企画デザイン事業の売却の影響で有形固定資産が△1億円減少しています。

負債に関しては0.8億円増加しましたが、社債や借入金なので有利子負債で+0.9億円の増加がありました。

純資産に関しては+3億円増加しましたが、当期純利益の+2億円が主な内容となります。

また自己資本比率は前年45%に対して今回は39%と△6%減少しています。
ただ減少はしても40%近い数値を維持しているので、安全性の観点からは全く問題ないと見て良いかと思います。

3.CFの状況

最後にCFの状況について見ていきましょう。
CF全体としては前年末から+1.3億円増加しました。
内訳としては営業CFで△9億円、投資CFで+0.8億円、財務CFで+9.5億円という内容です。

営業CFは今回黒字化を達成しましたが、棚卸資産の増加影響△9.8億円が大きく影響しマイナスとなりました。
ただ棚卸資産が正常に循環すれば次年度にはこのマイナス分はプラスに転じるはずなので、この点は次年度のCFで注意が必要です。

出所:決算短信

投資CFに関しては、不動産企画デザイン事業の売却で+0.9億円の収入が影響し、全体ではプラスで推移しました。

財務CFに関しては長期借入金や社債の借り換えなどがありましたが、営業CFで触れました棚卸資産の増加影響で一時的なキャッシュの不足分を、短期借入金で補いました。

出所:決算短信

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?

マサキタカオ

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